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【備忘観戦録】大王逆転「全塁打」と髙濱グラスラのビッグイニング(6・05東京ドーム)

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勝利投手 日本ハム 河野 (1勝1敗0S)
敗戦投手 巨人 戸郷 (5勝3敗0S)

ファイターズ先発は初登板にして初先発の立野和明。序盤こそマウンドから緊張を感じ取れたが、回を進めるうちに徐々にリラックスしていくのがわかった。2回に四球と2安打を集められて1点を失うが、振り返ってみれば5イニングを投げて3安打、失点はこの1点のみ。四死球は4つ出したが(うち5回に3つ)、初先発であることを考えれば100点満点の内容だった。

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6回も連投となる河野竜生が今日も好投し、6回を終えたところで1失点。ところが打線は今日もなかなか目を覚まさない。

巨人先発の戸郷翔征が良く、ファイターズ打線は初回からまったく手がつけられなかった。8奪三振、散発2安打とチャンスらしいチャンスはもらえずに、6回を終えたところで無得点。得点のイメージすらつかめない、そんな状況。1-0とたった1点のビハインドにもかかわらず、まるで大差で負けているような暗いムードが漂っていた(ように見えた)。

しかし7回表、ついにファイターズ打線が爆発する。

先頭で安打出塁した近藤健介を1塁に置いて、王柏融の逆転ツーランホームラン! この時点で「29イニング連続無得点」という不名誉かつ意味不明な記録は途切れた。

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一度爆発した打線はなかなかおさまらない。ホームランの後渡邉諒が四球を選び、石井一成がヒットで続く。もはや正気を失いストライクが入らなくなる巨人戸郷石川亮にはストレートの四球。満塁になり、ピッチャーの打順で代打には髙濱祐仁。ここで、極めつけの満塁ホームランが飛び出した。

この回一気に1-6と突き放し、終盤への貴重なビッグリードを勝ち取る。この後巨人も意地を見せ、計3本のホームランによって2点差まで詰め寄られるが、7回の大量得点が効いた。

最終的にファイターズは4-6と逃げ切り連敗を止めた。勝利投手は6回を三者凡退に斬って取った河野竜生。ここのところずっと中継ぎとして好投し続けてきた河野にようやく勝ち星がついたのは嬉しい。立野の初勝利は割とすぐに実現できそうだ。

「地獄を見た男」高濱の代打満塁ホームラン

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王柏融の逆転ツーラン(と感動的なヒーローインタビュー)も思い出すだけで目に沁みるが、今日覚えておくべき最高のシーンは、個人的には僅差で髙濱祐仁のグラスラだ。

7回表、王柏融に逆転ツーランを浴びた上に四球、安打、四球と、この時点ですでに正気じゃなかった戸郷のストレートをジャストミート。打球は大きな弧を描いてレフトスタンドに飛び込んだ。

試合展開がどうとか、配球がどうとか、打球がどうだったとかは、この際どうでもいい。 背番号91。髙濱祐仁が打者として最高の結果(=グランドスラム)を見せつけたことに意味がある。ファイターズに入団して6年半。背中の数字の重さが暗示しているように髙濱の野球人生には紆余曲折あった。それを振り返ると歓喜せずにいられない。

名門・横浜高校で1年時から四番というキャリアをひっさげファイターズ入り。二軍で中軸を担いながらも一軍に呼ばれては「一軍の壁」に押し戻される日々。次第に二軍でも成績を残せなくなり、出場機会も減っていく。そして2019年末、戦力外通告を受けた

なんとか育成契約で残った2020年は春から奮起した。ファームで打ちまくり、2020年夏に見事支配下登録をゲット。シーズン後半は一軍でも3割を打つ活躍で、栗山監督からの信頼も勝ち取った

今年も4月初旬から一軍ベンチに入り続けていた高濱だったが、4月末、チームはコロナ禍による最大のピンチに陥る。不運なことに高濱自身も陽性判定を受け、登録抹消を余儀なくされる。さあここからというタイミングだっただけに、「もしかしたら、もう一軍に呼ばれないかもしれない」と不安に苦しんだであろうことは想像に難くない。

しかし隔離期間を明けると即再登録。打撃の好調は維持しつつ、内野ならどこでも守れるというユーティリティぶりも買われ一軍になくてはならない選手になった。正真正銘、高濱は一軍メンバーの座をモノにした。

そして今日のグランドスラムに繋がっているんである。

順風満帆だった野球人生が一転してどん底へ。絶望と屈辱と不安にまみれながら這い上がって、今日、あの打席までたどり着いた。

そんな背景を重ね合わせると、最高の笑顔でグラウンドを一周する高濱の姿が、映画のワンシーンのように見えた。

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