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【備忘観戦録】〇今川優馬の初ヒット初ホームランと立野和明の快投で連勝(9・12札幌ドーム)

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勝利投手 日本ハム 立野 (2勝1敗0S)
敗戦投手 ソフトバンク 和田 (5勝6敗0S)
セーブ 日本ハム 杉浦 (1勝2敗18S)

昨日の守備で負傷退場した近藤健介が、脳震盪で大事を取って登録を抹消された(特別措置付き)。貧打にあえぐチームでひとりシーズンを通して奮闘してきた大明神。この圧倒的中心打者を欠いて戦わなくならなくなったファイターズ

今日は、文字通り大黒柱を失って弱気になりがちなチーム(とファン)に、近藤の代替選手として一軍入りした今川優馬が”執念”を注入してくれた試合だった。

ファイターズは2回、先頭の野村佑希が左中間を真っ二つに割るツーベースで出塁。続く佐藤龍世は最低でも二塁の野村を三塁に送っておきたかったが、強振してショートフライに倒れる。これで貴重な先制ランナーを返すには、後続の誰かにヒットが必要になった。

この若干ガックリくる場面で、今日の主役今川優馬だ。今川は、百戦錬磨のホークス先発和田毅の3球目ストレートを見事ジャストミート。レフトスタンド上段に届く豪快なホームランを打ち込んだ。これが貴重な2点先制。プロ入り初ヒットが初ホームランとなった。

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ファイターズは3回にも高濱祐仁が、滞空時間の長いソロホームランをレフトスタンド最前列に届かせ1点追加。

投げる方では、序盤に3点の援護をもらったファイターズ先発立野和明の出来が素晴らしかった。制球がよく、特にカーブが効果的に決まり、好調の柳田悠岐もかなり手こずっていたようだった。ピンチらしいピンチは3回表のみ。この回1アウト1塁2塁と唯一ランナーを2人ためたが、まったく慌てず、丁寧に後続を料理した

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立野は7回、先頭を四球で歩かせ右のデスパイネを打ち取ったところで左の堀瑞輝に代えられるが、マウンドを下りる際の悔しそうな表情が印象的だった。とはいえ6.1回で2安打無失点。完璧といってもいい内容で、ベンチの信頼を大きく勝ち得たのは間違いない。次回はきっとさらに長いイニングを任せてもらえる

ファイターズは、以降も自慢のリリーフ(堀、井口和朋)が7回8回を無失点で切り抜け、9回は「帰ってきた守護神」杉浦稔大がマウンドに上る。

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久しぶりのセーブシチュエーションでの最終回マウンドで、いきなり先頭を四球で歩かせたが、続く栗原陵矢をストレートだけで三球三振、デスパイネをサードゴロで併殺に打ち取りゲームセット。守護神復活を存分にアピールした

杉浦は3週間ぶりの18セーブ目。今回は立野の2勝目をきっちり守り切った

ヒーローインタビューは6.1回無失点好投で勝ち投手の立野と、初ヒット初ホームランが貴重な先制点となった今川。まだ1年目、2年目の若い2人による、喜びを少しも隠さない笑顔が眩しかった。

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“おれたち代表”今川優馬が打った特大ホームラン

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このシーンを当然忘れることはないと思うが、今川優馬が初ヒット初ホームランを記録したのが、今日「2021年9月12日」だったことは記憶しておきたい。

今川は北海道札幌市出身。子供の頃からファイターズファンで、選手になった現在も16年にわたってファンクラブを継続していることは有名な話。

いわばファイターズファンからすれば、ようやく出現した「仲間内から出てきた選手」だ。

ドラフト6位に滑り込んだ瞬間から、ファイターズファンの誰もが注目し、まるで身内のように見守ってきた。誰もが今川が前半戦に一軍で結果を出せなかったことを案じていたし、二軍降格後もファーム戦で大活躍していることを喜んでいた

その今川が、ついにファイターズの一軍スタメンに名を連ねた。あの大明神「近藤健介の代替選手」という重い使命を帯びて、真っ黒に日焼けした肌で札幌ドームの打席に立った

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もうこれだけでも“身内”としては鳥肌ものなんだが、そんな感慨にふける間もなく、今川は打ったのだ。

ホークス先発和田の低めのストレートをすくい上げた。ボールは高い弾道をたどり、レフト上段に飛び込んだ。今川は打った瞬間にホームランを確信し、小さくガッツポーズをとる。

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感激した。今までたくさんのホームランに感動させられてきたが、新人のホームランにこんなに心が動いたことに驚いた

今川がファンクラブに入ったのが16年前だとすれば、ファイターズが本拠地を北海道に移転して2年目の年だ。その頃から、今川は“ファイターズ少年”としてスタンドから応援してきたんだろう。我々と同じようにお気に入り選手のユニホームを着て、タオルを掲げて大声で憧れの選手たちに声援を送ってきたんだろう。16年の長きにわたって、狂おしいほどにファイターズの勝利を祈り続けてきた。その気持ちだけは、同じファンとしてわかる。

そんな今川少年が、いや“おれたちの代表”が、ファイターズの選手になることを夢見て、猛練習して、プロになって、二軍で活躍して、一軍の打席でホームランを打った。

そして自分の手でファイターズを勝利に導いた。しかも「近藤の代替選手」という重責を十分に果たしてだ。こんな快挙は、作り話でも聞いたことがない。

「大好きなファイターズで勝利に貢献できた」

試合後ヒーローインタビューに上った今井の「大好きなファイターズ」というコメントで二度泣く。

同じ「ファイターズファン」ってだけのおれがこんなに嬉しいんだから、本当の”身内”であるご家族の喜びは計り知れない。

生んでくれてありがとう育ててくれてありがとう。そして、おめでとう。心からそう伝えたい。

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