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【備忘観戦録24~対ホークス~●】アルカンタラの日

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勝利投手 ソフトバンク 東浜 (2勝1敗0S)
敗戦投手 日本ハム 杉浦 (0勝2敗0S)

それ以外記憶がない

今日も好調ホークス打線にボコボコに打ち込まれすぎて、中盤からは正直あまり覚えていない。3回ホークスのルーキー野村勇の先制ツーランホームランを被弾したまではハッキリと憶えているが、なぜか中盤4~6回あたりは思い出そうとすると脳がショートする。

この間に何かがあったんだろうか。

それはさておき、ファイターズファンにとって今日は「アリスメンディ・アルカンタラの日」だったことは間違いない。

ここのところ好調の新助っ人アルカンタラが、4打数4安打2本塁打3打点と大爆発。しかも「スギノール」以来3年ぶりとなる「両打席ホームラン」達成というオマケもついた。ファイターズファンは、それ以外のことは無理に思い出さなくていいと思う。

サイクルを超えてしまった男

正直にいうと、アルカンタラの4打席目が回ってきた8回裏の時点では、(打たれ過ぎて)テンションは完全に下がり切っていた。アルカンタラはここまで3打数3安打、しかも、単打→本塁打→二塁打とサイクルヒットに王手をかけていたが、それでもあまり興奮ゲージは上がらない。

「よーしアルカンタラ、ここは絶対三塁打打ってサイクル狙え!」

なんて、やけくそ気味に冗談を飛ばしていたが、(本当に失礼な話だが)打てるなんてこれっぽっちも期待していなかった。

なぜか。

サイクルヒットがかかったアルカンタラの4打席目が「右打席」だったからである。

アルカンタラは、最近のプロ野球選手としては絶滅危惧種の「両打ち」のバッターだ。ただし、ここまで左打席では47打数12安打を打ちながら、右打席では11打数1安打と打率は極端に悪い。(※試合前データ)

ファイターズファンの中でも「左カンタラと右カンタラは別の選手」といじられているほどだった。

左打席ではホームランを何本もかっ飛ばし、守っては内野外野を問わない堅実な守備で頼れる存在だが、あの小さな右打席の枠内に入ったアルカンタラだけは、どうにも信頼できなかった。

そんな”負の期待”を裏切ることなく、2球ボール球を見送った後、3球目のストレートを辛うじてファール。そして4球目のストレートは、完全に振り遅れの空振りだった。まったく打つオーラを感じさせぬままに追い込まれてしまった。

……だめか。絶好調なのはあくまで「左カンタラ」で、「右カンタラ」はいつも通りだ。ストレートは打てそうにない……。素人目にも「万事休す」としか見えなかった。

しかし、ホークスバッテリーも同じことを思ったのかもしれない。続けて投げたストレートを、「右カンタラ」が完璧に捉えた。

ガキンと音を立て、いい角度で打ちあがった打球は、そのままスタンドイン。思わず飲んでいたコーヒーを吹いた。(※慣用句)

「三塁打でサイクル」どころか、サイクルヒットを物理的にも超える「ホームラン」になってしまった。

「どうだ、右打席もなめんなよ」と言わんばかりに堂々とダイヤモンドを回るアルカンタラ。カッコいい。トレードマークの赤いバンダナの下でキラリと光るピアスが今日もデカい。

おれはといえば、情緒がおかしくなっていたんだろう。おったまげすぎてソファから転げ落ちていた。落ちながら「セギノール! セギノール!」と、かつて両打席ホームランを9度も記録したという神助っ人の名を連呼していた。(※転げ落ちてないし連呼してない)

スポナビを見ると、今日の試合は4時間もあったらしい。体感でもかなり長く感じたが、本当に長かった。

それも、この「アルカンタラの日」を目撃するためだった、と思えばお釣りがくる。それほどにプライスレスなシーンだった。

今後、右カンタラも侮らない。

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