遺書(ブログ)

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明

更新日:

ジャンル スリラー / ドラマ
製作国 スペイン
製作年 2016
公開年月日 2017/3/25
上映時間 106分
鑑賞 アマゾンプライム

 

グッドマン弁護士がカッコいい

物語完結後に暗転してエンドロールが流れ始めたとき、最初につぶやいたのが、「カッコいい……」という場違いな感想だった。

「どんでん返し映画」のオススメとして頻繁に本作の名前が挙がるも、ちょっと前まではサブスクではどこを探してもなくて、自分の中では「幻の作品」扱いになりつつあった。ところが、知らない間にアマプラ有料(400円)で観られるようになっていたことに気づき、もう即課金即鑑賞。

もうね、興奮。快感。話したくてうずうずしているので、がっつりネタバレするよ。こんにちは、観た人。

いきなりだけど、ラストは痺れたよねえ。グッドマン弁護士が道路向かいの例の部屋で、変装をペリペリっとはがして、あの地味な奥さんに戻る場面。ウィッグをはずし、眼鏡をかけながら、道路向かいでこちらに気づいた主人公ドリアを悲しげな表情で見つめる。

その横では復讐に燃える旦那さんが、事件の真相を警察に通報する。ちょうどその時にドリアの元を訪れた「本物のグッドマン弁護士」の自己紹介と重ねるところもオシャレだった。「グッドマンです」「ダニエルの父です」「事件の真相を……」(エンドロール)。で、冒頭の感想である。

「カッコイイ……」。

何がカッコいいって、このグッドマン(偽物なんだけど)が最初から最後までブレずにカッコよかった。依頼人のドリアの話を聞きながら切れ味鋭い推理を展開していく様子はホームズ? ポアロ? いや普通にミス・マープルか? 品があって論理にスキがなくて、時には威圧的に、時には親身に、天才実業家であるドリアと対峙する。

いわゆる「信頼できない語り手」ドリアとの不思議なバディ感(?)が斬新だった。ドリアが事件を回想し、グッドマンがキレキレの推理で主人公の話のアラを突いて正す。そうやって、観客は少しずつ真相を把握していくのだ。こんな展開見たことある?

真相が丸裸になり、ドリアが極悪人であると知った後も「(逮捕されないための)戦略はある」と元気づける。これでドリアは完全にグッドマンを信頼してしまった。で、

この天才「ミス・マープル」が、まさかあの地味な奥さんだったなんて!(カッコいい!)

と結局、感想はラストのどんでんシーンの衝撃に集約される。すごいよ、この大技。

今思うと、そんな終始完璧なグッドマンが一度だけひどく狼狽したシーンがあった。湖に車とともに沈められた若者が、実は沈める直前は「生きていた」「生きたまま湖に沈めた」と聞いたシーン。

それまで冷静にドリアの話を聞いていた彼女が、「何て人なの……!」と怒りに目をにじませていた。そうか、あれは息子を殺された母親の憎しみの表情だったのか。気になって再度そのシーンを観たら、怒りと憎しみの上に「悲しみ」も見えてきた。どんな気持ちだったかを想像すると、ちょっともらいそうになった。

レンタル期間は明日までなので、他にも確認したいシーンを洗いざらい見直してみようかな。そう思わせる作品だった。

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