ジャンル | SF / アクション / スリラー |
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製作国 | カナダ |
製作年 | 2022 |
公開年月日 | 2023/1/6 |
上映時間 | 89分 |
鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
どんでん返しがありそうでない
椅子につながれた記憶喪失の主人公と密室。テーブルの上には鉛筆。どこからか「鉛筆を動かせ。さもなくば娘を殺す」という謎の声。
そんな不可能と思える指令を不思議な能力でクリアし、突然「夫」だという男性が登場したあたりから、「どんでんがあるぞ」という鼻息がフンフン聞こえてきた。
アマプラ評点1.3はさすがに気になったが、よく見ると評価者はたった「4人」だし、なんだか「隠れた逸品ってこんな風に見つかるもんだよな」という謎のモチベーションに駆られて再生してみた。
これを読んでいる人はほとんど誰も観ていないと思うけど、大丈夫。観なくて。
いやね、これだけは最初に言っておきたいんだけど、想像していたよりも全然チープじゃなかった。
間違いなく超がつく低予算で、ほぼ密室ワンシチュエーションとはいえ、シーンごとに丁寧に作られている気がしたし、何よりほぼ2人芝居の夫婦役の熱演っぷりは「予算がないからって、少なくとも俺たちはB級映画を作っているつもりはねえ!」って感じでよかったと思う。
これホント。見た目だけはA級とまではいかないまでも、Bプラスくらいのルックスだった。「2001年宇宙の旅」とか「ガタカ」的……というと言いすぎ感があるけど、「清潔感のあるSF」っぽさが好みではあった。
ただ展開(脚本)がなあ。
毎分のように「どんでんを返すぞ返すぞ……」とチラつかせながら、一向に返してくれない。もどかしい感覚。食えない。
こっちはずっと、これまで様々な作品で観た「どんでんパターン」を脳内で並べて待ち構えているんだよ。
謎の声って実は幻聴なんだろ? もしくはテレパシー?
……かと予想すれば、普通に天井のスピーカーだったし、
「夫」と名乗る意味ありげな人物は、実は敵組織(?)の一員?
……かと思えば、普通に夫だったし、
実は「娘」なんて存在しないんだろう?埋め込まれた記憶とか?
……と思えば、普通に愛娘だし。
意図して「裏の裏をかいてきた」というなら、むしろ気持ちいいんだよ。でも、どうやらそんな感じではない。実は、裏とか表とかそんな概念はない。ただ淡々と、見たままの出来事が見えるまま展開していく。
わかってる。考えすぎだった。平凡なストレート投手なのに、勝手に変化球投手だと決めつけてバッターボックスに立ったおれが悪い。投げてくる球、すべて空振りだった。絶対的に自分のせいだけど、楽しくはなかった。
ああでも、そういえば決め球(ラスト)だけは変化球だったな。
思えば、脳内の「どんでんパターン」ファイルの上の方にあるようなごく平凡な変化球だったけど、その頃にはそのファイルは閉じてた。
もちろん空振りだった。
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