勝利投手 楽天 早川 (4勝2敗0S)
敗戦投手 日本ハム 池田 (2勝4敗0S)
セーブ 楽天 松井 (0勝1敗9S)
中盤まではシーソーゲーム。ファイターズ先発の池田隆英はコントロールに苦しむも、相変わらずランナーが出るとシャキッとして連打を許さない粘りの投球。毎回のように四球を出しながら、その都度ランナーもろとも丁寧に料理していくスタイルで、4回までは1失点で切り抜ける。
しかし5回、先頭の辰己涼介にソロホームランを浴びると豹変した。3巡目に入った小深田大翔に2ベース、続く鈴木大地にうまく二遊間を破られ連続ヒットを許す。ノーアウト1塁3塁で3番浅村栄斗という絶体絶命の場面で、ファースト今井順之助よる好プレーでゲッツーで切り抜けるも、火消しに入った河野竜生が、島内宏明によるアンラッキーなヒットでさらに失点。勝ち越されてしまう。
一方、楽天の先発はここまで2連敗を喫している早川隆久。ファイターズ打線は4回裏に王柏融→近藤健介→万波中正による3者連続ツーベースで2点を奪ったのみ。6回からは福山博之に交代した。今日も早川を捕まえることができなかった。
それでも5回を終わって1点ビハインド。後半戦に望みをつなぎたいところだったが、6回表に登板したアーリンが3安打(うち1本塁打)を浴び3失点、4点差。ここでバランスが大きく崩れてしまった。
この後ルーキーの五十幡亮汰の俊足と、杉谷拳士による連日のタイムリーによって1点は返したものの、9回にストッパーとして出てきた松井祐樹にシャットアウト。
今季初の4連勝、および今季初の同一カードスイープは今回もお預けとなった。
松井祐樹はこの試合で150セーブを記録。
スピードスター五十幡の鮮烈デビュー
「中学時代に100m走でサニブラウンに勝った男」という異名で有名になったルーキー五十幡亮汰。
昨日の試合で今季初めて1番スタメンに抜擢された五十幡だったが、内容は2ゴロ、投ゴロ、2ゴロ、三振と、自慢の足を活かす見せ場もなく終わった。
「今日こそは」と意気込んでいただろう五十幡に、早速チャンスは巡ってきた。5回裏2アウトランナーなしの場面、イーグルス早川が3球目に投じたインハイの打ちにくそうなストレートを辛うじてバットに当てると、打球がサード後方にポトリと落ち、これがラッキーな初安打となった。
あの五十幡がついに初ヒット初出塁した!……となると、観客の次なる興味は初盗塁だ。
「いったい何球目に行くのか……」などと期待する観客、そして当然最大限に警戒するイーグルスバッテリー。刮目するすべての人々を嘲笑うかのように、五十幡はなんと初球で初スチールを成功させてしまう。キャッチャーの太田光の送球もほとんど無駄がないように見えたが、それでも余裕綽々セーフだった。この初ヒットと初盗塁は、残念ながら得点には結びつかなかったが、ハムファンが「俺たちはとんでもない選手を手に入れた」と期待を膨らませるには十分すぎるほど鮮烈な初盗塁だった。
五十幡は7回裏にも2つ目の盗塁を悠々と決め(これは杉谷のタイムリーによって得点に結びついた)、自慢の足を遺憾なくお披露目した。
北広島時代のリードオフマン五十幡亮汰の偉大なる第一歩は2021年5月9日だった、ということはしっかり胸に刻み付けておきたい。