ヒッチコックは何本か鑑賞して好きだったのと、最近は古い映画に抵抗なくなってきたので、アマプラでたまたまおすすめに上がってきたのを機に観た。
最初に殺人シーンから始まるので、「コロンボ古畑タイプ」の映画だということは、現代人ならすぐわかる。ただしコロンボ・古畑を存分に見慣れた我々世代から見ると、犯人は言うほど頭が良くないし、それだけに探偵役が追い詰めていく過程も弱い。探偵役にたまたま間違って渡される帽子(これが決め手)の展開も強引。決定的な証拠もないのに、犯人役がフガフガして、最後観念するだけ。
「あっ!そこで見抜かれていたのか!」という”バレ気持ちよさ”(今作った言葉)は薄い。
しかしながら、この映画の公開は1948年(!)。「刑事コロンボ」よりもはるか昔の作品だけに、当時の人々にはさぞ新鮮にうつったのではないか。
この後、世界中の人々を楽しませることになる「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」につながる”始祖”という価値を讃えて☆3つ。1940年代のキラキラしたアメリカの一場面をカラーで観られるという価値も高かった。