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【完全版】映画『インヘリタンス』ネタバレ!衝撃の結末の謎と真の意味を徹底考察

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莫大な遺産を持つ資産家の父が亡くなって、主人公ローレン(リリー・コリンズ)に相続された秘密の地下室。そこに謎の老人が監禁されていたという設定には思わず引き込まれたよね。この映画は、構成や雰囲気、そしてキャストも豪華で達者で、終盤まではミステリーとして最高に楽しむことができた

でも、この作品を観た多くの人が感じるのは、真相が全部わかったときに残る「あのモヤモヤ」なんじゃないか。父アーチャー(パトリック・ウォーバートン)の不可解な行動に、どうしたって「それは最初に言ってくれよ」とツッコミたくなる。この感情こそが、この映画の最大のカギなんだと思う。そんな素直な疑問に対して、自分なりに、できる限りの謎を解き明かしていきたい。

【注意】この記事でわかること(ネタバレ前提)

この記事では、多くの観客が抱える「なぜ父アーチャーは沈黙を選んだのか」という最大の疑問に、観客の視点で答えていくためのものである。ネタバレを前提に、この物語の根幹にあるすべての謎を解消する。

物語の根幹である「カーソン」という名の男の正体と動機、父アーチャーが残したメッセージの裏の意味、そして一番腑に落ちない行動の深層心理まで、徹底的に解き明かしていく。じゃあ、まず何が起こったのか、真の結末から見ていこう。

ということで……

いないとは思うけど、まだ未鑑賞の人がたまたまこのページを通りかかったなら、ここから先は読まないで。いい?

はい、こんにちは、観た人

映画『インヘリタンス』の「真の結末」を解説(ラストシーンまで)

地下室にいたモーガンと呼ばれた男、実は偽名だった。彼こそが「カーソン」だった。本名はカーソン・トーマス(サイモン・ペッグ)。彼は30年前にローレンの母親をレイプした犯人であり、さらに驚くべき真実として、ローレンの実の父親であるという、非常に重い闇を背負っていた。

父アーチャーは自殺したのではなく、実はカーソンが毒物タリウムを少しずつ盛ったことによる毒殺だったのだ。父親の死の直前まで続いたこの命がけの闘争が、ローレンに秘密を託さざるを得なかった理由だと言えるのではないか。

この真実を知ったローレンと母キャサリン(コニー・ニールセン)がラストでとった行動はあまりに衝撃的だったよね。母がカーソンを射殺し、検事であるローレンは母と共謀してカーソンの死体を地下に隠したんである。ローレンは父アーチャーの「罪と秘密」それごとを、ついに自らの手で「継承」してしまったという皮肉な胸糞結末に行きついた。

徹底考察:父アーチャーがローレンに地下室の鍵を遺した真意

いちおう真実がわかったとしても、どうしても腑に落ちないのは、やっぱり父アーチャーの沈黙だよね。だって、娘がカーソンに会えば絶対にバレるじゃない。結果、妻子が大変な目にあったよ? 実際に人も死んだよ? 娘のことを思うなら、継承者(ローレン)にはこっそり言ってくれてもよかったんじゃないか? 意味が分からん。

その真意を自分なりに考察していく。

親父の遺言メッセージは「お前に託す」の一言だったが、金庫の中には「真実を掘り起こすな」というメッセージが隠されていた。これは、カーソンを掘り起こすなという指示であると同時に、親父なりの「私と同じ罪を犯すな」という、ローレンの未来に対する切実な警告だったのではないか。彼はローレンの持つ強さと正義感に最後の希望を託したのかもしれない。そんなところか。

そして遺産配分。ローレンへの配分が極端に少なかったのは、親父なりの愛情の歪んだ形だったという見方もできる。遺産という富の裏に、この暗い秘密がセットでついてくることを知っていたからこそ、親父はローレンだけをこの「闇の鎖」から解放しようとしたとも考えられる。ローレンに秘密を託したのは、彼女の強さに賭けた結果なんじゃないだろうか。どうだろう。ちょっとポジティブに考えすぎかな。

解決! どうしても納得できない「最大の謎とプロットホール」

まあ、父の真意を考察したとしても、物語の構造にはどうしてもツッコミたくなるよね。

例えば、30年間監禁されていたカーソンが、なぜ30年前の死体の場所を正確に覚えていたのか? これは、彼の復讐計画に必要な情報であり、彼は狂気的な集中力でその記憶を維持し続けたと考えるしかない。

それから、ローレンが検事でありながら、母親と共謀して弁護士の死体まで隠蔽した行為は、彼女のキャリアを完全に破壊するものだ。でも、ラストシーンが示すのは、ローレンが父と同じく「家族愛のために法を破る」という道を選んだということであり、彼女が父と同じ「罪人」の側に立ってしまったという、非常に皮肉的な結末を暗示している。

そして一番の疑問、なぜアーチャーはカーソンを殺さず30年も監禁し続けたのか。これは論理で説明できない。彼は罪の意識に耐えられず、自首もできず、殺す勇気もないという中途半端な罪人として、自己満足のために監禁を続けた。この非合理な行動こそが、この物語の闇の深さなのかもしれない。

サイモン・ペッグの怪演とこの結末の教訓

物語の構造についてはツッコミを入れたくなるが、やはりサイモン・ペッグの熱演は素晴らしく、それまでのコミカルなイメージを完全に覆す、極限状態の狂気を纏った演技には圧倒された。

ただ、観客として正直に言うと、父の沈黙はやはり製作者がローレンを究極の二択に立たせるための都合が透けて見えすぎる部分だ。一言真実を伝えていれば、この悲劇は防げたはずだと誰もが思うだろう。

しかし、この「腑に落ちなさ」を、家族の秘密が持つ非合理性として(無理矢理)捉え直すと、この映画が伝えたい教訓が見えてくる。

家族の秘密は、論理や正義では終わらない。誰かが罪を引き継ぎ、手を汚すことでしか完結しない。ローレンが母と共謀して秘密を守ることを選んだラストは、彼女が「愛憎の継承者」になったという、重い結末を観客に残すのだ。

まとめ:『インヘリタンス』が残した教訓と家族の秘密

結局、この物語は、富と権力を持つ家族が、その地位を守るために罪を隠蔽し続けた結果、その罪の連鎖が娘にまで及んでしまった姿を描いている。ローレンが父と同じ「罪人」の道を選んだラストは、観客に重くのしかかる。この徹底考察が、あなたが抱いたすべての疑問を解消し、映画の真のメッセージを理解する一助となったなら嬉しいけどね。

正直、イマイチな作品だった。

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