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【備忘観戦録19~対イーグルス~〇】加藤貴之90球の余裕マダックス

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勝利投手 日本ハム 加藤 (2勝1敗0S)
敗戦投手 楽天 田中将 (2勝1敗0S)

「カトウ」達成

今日の試合は「加藤貴之」。この4文字に尽きる。3安打1四球完封。球数はなんと90球。

「100球以内での完封」を「マダックス」と呼ぶらしいが、あまりに余裕のクリアなので、今後「90球以内」からは「カトウ」と名付けたらどうだろうか。

浮かれ過ぎた。

加藤は昔から崩れる時も崩れない時も「球数が少ない」というのが特徴だ。直球は140kmは滅多に超えない軟投派。かつてファイターズの左のエースとして活躍した武田勝のように、打者に「打ちごろ」と思わせて手を出させて、狡猾に凡打を誘うタイプの玄人好みのピッチャーだ。

それだけに、味方守備との相性が非常に重要になってくるんだが、今日は今年の鉄壁ファイターズ守備陣に完全にハマった。

初回は、浅村栄斗のライトとセカンドのちょうど中間に落ちそうな球を、セカンド石井一成がダイビングキャッチ。

2回にも、先頭島内宏明の二遊間を破りそうな痛烈な当たりを、これまた石井一成が横っ飛びキャッチ。

3回には先頭の渡邊佳明の三塁線を襲う痛烈な打球をサード野村佑希がダイビングキャッチ。

この”鉄壁内野陣”(去年まではこんな言葉が使えるとは思わなかった)による序盤の3つのファインプレーが、今日の試合の流れを決定づけた。

野球に「たられば」は禁物だが、上で書いた3つのうち一つでも抜けていたら、間違いなく結果は変わっていたと思う。

この後は加藤もイーグルス打線に付け入るスキを与えることなく、堅実にイニングを消化。8回に唯一といっていいピンチを迎えたが、そこもノホホンと切り抜けてみせた。

宇佐見のホームランシーン

当然、序盤の先取点も大きな支えとなった。2回表に飛び出した、女房役・宇佐見真吾の今シーズン1号ツーランホームランだ。

イーグルス先発は田中将大。初回こそ失投を捉えて2安打と追い詰めたが無得点。この回も先頭を四球で出塁させるも、その後は2連続三振と、本来の調子を取り戻し始めていた。このままじゃマズイ。

そんなタイミングでの宇佐見のホームランだった。初球ストレートをファールされた後、2球目の変化球がベルト付近のど真ん中に行ってしまった。

宇佐見はこれを力感なく振り抜きジャストミート。角度よく打ち上がった打球は、ライトスタンド中段へ飛び込んだ。

「やってやったぞ」と晴れやかな表情の宇佐見。
宇佐見以上に喜ぶビッグボス。
ちょうど腹の調子が悪く個室でこもりながら歓喜の声を上げるおれ。

田中としても、相当に悔いの残る失投だったんだろう。この時のあからさまにガックリきている田中の表情が(ファイターズファンとしては)たまらなかった。お陰でなかなか印象的なシーンになった。

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