ジャンル | スリラー / パニック / ドラマ |
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製作国 | 韓国 |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 2024/1/5 |
上映時間 | 130分 |
鑑賞 | 109シネマズ川崎 |
「国を守ること」のミニマムな標本
傑作だった。
「未曽有の大災害が何だったのか」などはどうでもよくて、マンション1棟分、(明記はされていないが)察するに100~200人規模のミニマム国家が生まれたらどうなるか、という構図として興味深かった。
特に、ちょっと目立ったばっかりに代表に選ばれてしまったヨンタク(イ・ビョンホン)が、純粋に住民の期待に応えようと奮闘しているうちに権力を強め、周囲の目の変化に応じて暴君のように変わっていく様子がリアルだった。
住民たちも徐々に「自分たちを守るためなら、外敵から奪ってもいい。時には殺すのもやむなし」というマインドになっていく。マンション内での相互監視の様子も、ルールを破った者に対する生々しい罰も恐ろしかった。
スクリーン外から見ていると狂気の沙汰としか思えないが、これこそが「国を守ること」のミニマムな標本だ。
どこの誰がこのマンションに100人集められても、きっと似たような状況になるんじゃないか、という説得力があった。