ジャンル | ラブロマンス / ドラマ |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2024 |
公開年月日 | 2024/7/19 |
上映時間 | 132分 |
鑑賞 | チネチッタ川崎 |
スカヨハ全肯定
待ちに待ったスカヨハの新作。3日前に予約して劇場のど真ん中の席から鑑賞した。平日の真昼間だったけど結構入ってたね。すぐ前の席が中学生男子の二人組だったのが嬉しかった。これ「怪盗グルー」じゃないよ?「ストプリ」と間違えてない? 「逃走中」じゃなくてよかったの? そうだよな少年たち! スカヨハがいいんだよな!
面白かった。もちろんファン補正がかかっているのは承知だが、今年劇場鑑賞した作品の中で一番好きかもしれない。半年後、配信が来たら新作料金でももう一度観たい。
“月面着陸の陰謀説”はもはやジャンル化している感があるが、その筆頭に挙がる「カプリコン・1」(1977)とも「ムーンウォーカーズ」(2015)とも違った。ただ単純に「月(火星)に行くのは無理だからフェイク映像を作って世界を欺く」というのではなく、「実際に月には行くが、失敗した場合の”プランB”がフェイク映像」ってところがより説得力がある。これなら「実話」だと言われてもギリ信じる。前述の2作と違って、NASAの全面協力を得られているのも納得。
ただし本作は、そんな「フェイク映像」云々をテーマにした陰謀サスペンスの類じゃない。全体的にいえば、むしろ月面着陸までの過程で「いかにPRマーケティングが重要だったか」ということに焦点を当てた、いわゆる”お仕事映画”と見ていいと思う。
1960年代後半といえばベトナム戦争真っただ中。アメリカでは「”月に行く”なんて馬鹿げたことに国家予算を使っている場合じゃない」という世論も強く、アポロ計画は常に存続の危機に立たされていた。PRはそんな窮状でイメージ戦略を行い、スポンサー企業を集め、国から予算を引っ張ってくる大切な役割だった。
飄々としたスカヨハのPR戦略家っぷりがよかったね。やり口はかなり強引なんだけど、すべて理にかなっている。奇策の数々に笑いながらも「なるほど」とタメになる部分も多かった。そんな奮闘を追ってきたから、アポロ11号発射成功のシーンは「ファースト・マン」くらい感動した。
それより何より、スカヨハが美しい!
60年代の髪型とメイクとファッションがよく似合うんだよ。スカヨハって、あの時代の女性を演じたことあったっけ。記憶にない。間違いなく近年のスカヨハ史上1位を更新した(おれ判定)。
パーマのかかったミディアムカットに濃いめのアイメイク、スカーフ、原色系のミニワンピース。あの時代特有の、胸を張って両手首を揺らしながら颯爽と歩く姿にも見惚れてしまった。口から出る全セリフも、カッコよくて粋でギャグセンが高くて、何というか、すごくいい! もうスカヨハ全肯定。ごめん、オッサンきもいね。
物語もコメディもスカヨハも(黒猫ちゃんも!)、全部気に入った。……ただし、ラブ要素はなくても良かったんじゃないかな。嫉妬しちゃう。