ジャンル | ラブロマンス / ドラマ |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2024 |
公開年月日 | 2024/6/7 |
上映時間 | 131分 |
鑑賞 | 早稲田松竹 |
スタイリッシュなスポ根ドラマ
早稲田松竹 official web site | 高田馬場の名画座
テニスをフックにしただけのラブコメかな?と思っていたが、想像よりもずっとスポ根寄りだった。
目下一流テニスプレーヤーのアート(マイク・ファイスト)と、今は落ちぶれた一文無しのパトリック(ジョシュ・オコナー)、元は親友同士の2人による決勝戦。それを観客席から見つめるタシ(ゼンデイヤ)。男2と女1人。「タッチ」みたい。
物語はこの試合の開始から始まり、この試合の決着で終わる。試合中に「回想」という形で、この対決の持つ”意味”を浮き彫りにしていく構成。ここがオシャレ。
現在進行形で本気で打ち合うラリーのように、過去のエピソードがひとつずつ語られていく。
予告編でも語られていた通り、かつて2人は親友で、同時にタシを愛していた。パトリックと付き合っていた時代もあったし、十数年経った現在はアートの妻で子供もいる。
収まるところに収まって、もはや因縁などキレイさっぱりないように見える3人だが、実は遺恨があった――というワクワク展開に、
「えっ、次どうなる? そんなことがあった? 早く! 早く次のエピソードくれ! 早く次!」となった。
まんまと製作側の目論見通り。
観ていくごとに、男2人の揺れ動く心情は手に取るようにわかっていくんだけど、やっぱり謎の中心はタシ(女)の真の目的だったね。2人の親友を(言葉悪くいえば)手玉に取って、いったいお前何がしたいんだ。おい、いい加減にしろ!
しかし、この謎がラストシーンの
「カモーーーーーン!」
のひと叫びでようやく理解できたのが快感だった。
久々に「脚本が面白い作品」を観た感覚。楽しかった。
付け足しになるが、テニスの試合描写も斬新だったよね。
プレイヤー目線になったり、ボール目線になったり、俯瞰目線はもちろん、地面目線(!?)になったり。
スポーツ観戦好きならば絶対に熱くなれる。
いやあ、スポーツっていいもんですね。