ジャンル | アクション / サスペンス・ミステリー / ドラマ |
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製作国 | イギリス |
製作年 | 2021 |
公開年月日 | 2021/10/1 |
上映時間 | 164分 |
鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
“アルマシスト”たちのバイブル
世界に10億人いるといわれている我々アナデアルマシストにとって、最も大切な12分間(0:45~0:57)が含まれる合計163分。
アマプラで見放題解禁されたのを機に、その宝物のようなパロマ(アナ・デ・アルマス)登場シーンだけ観なおした。何度観てもいいものはいい。
パロマとは、本編でジェームズ・ボンドのミッションをスポット的に手伝うゲスト出演的な女性スパイ。陰謀の鍵を握る超重要人物を捕捉すべく、ボンドとカップルを装って敵のパーティに潜入する。
アナ自体の美しさは言うまでもないが、傑作なのはそのキャラクター。
これが「初めての任務」という新米スパイで、待ち合わせで大切な合言葉を忘れるわ、「3週間も特訓したの」と誇らしげに胸を張るわで、初っ端から「コイツ大丈夫か?」となる。しかも、めちゃくちゃセクシーな格好をしているくせに、ボンドお得意の色仕掛けもテキトーに天然スルー。
登場わずか1分半で、「あれ? 今までのボンドガールとは確実に違う」とわかる。
……からのあの大暴れだ。
複数人の敵に囲まれると射撃は百発百中、弾丸がなくなれば銃器を鈍器として格闘。後ろから掴まれれば、美しい回し蹴りや飛び蹴りで屈強な男どもを組み伏せる。むしろ一緒に戦っていたボンドの方がボロボロで、「訓練3週間?」と目を丸くする始末。ポンコツかと思ったら天才だった。たまらん。
別れのシーンも洒落てる。
「なかなかいい腕だ」(伝説のスパイ)
「あなたもよ」(新米スパイ)
固く握手して「バーイ」。
以降もう二度と登場しないのが残念。残念だけど、そこがカッコいい。
当初はこの傑作キャラクターを12分だけで埋もれさせるのは勿体なく思っていたが、最近は「これでよかったんだ」と感じられるようになった。
ここからボンドと共闘することで、ロマンスに発展するベタな展開なんか実は見たくないし、敵の反撃でピンチにあえぐパロマも見たくない。この12分が完璧で一番いいシーンの凝縮だからこそ、我々アルマシストの大切な聖書になりえたんだと思える。
今後の活動予定は、来年公開の「ジョン・ウィック」シリーズのスピンオフ「バレリーナ」を正座して待つのみ、である。
おっと12分だけのシーンでこんなに語ってしまった。最後に本編についての感想を。
3時間弱はいくらなんでも長すぎる。
ダニエル、15年間のボンド生活お疲れさまでした。