遺書(ブログ)

ドリーム・シナリオ

投稿日:

ジャンル スリラー / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2023
公開年月日 2024/11/22
上映時間 101分
鑑賞 チネチッタ川崎

出た!「ニコケイ映画」の決定版

ジョーズ映画なら「ジョーズ」、ゾンビ映画なら「ゾンビ」、スパイ映画なら「ミッション:インポッシブル」。ジャンル映画にはそれぞれ必ず「これは必修」という”決定版”が存在するが、「ニコケイ映画」にもついに決定版が誕生した!そう確信した。
(ニコケイ映画=ニコケイであることが何より重要なジャンル映画)

これまでニコケイ映画といえば「マッシブ・タレント」か、個人的には「レンフィールド」が暫定トップだったが、これは軽々更新したんじゃないか。

なんせ本編約100分中、ニコケイが出ていない時間がほぼない。多分95%は出ずっぱりだった。つまり約95分という時間で、目一杯いろ~んなニコケイを見せてくれる。

ハゲデブ中年ニコケイ(=デフォルト)。
家族が大好きなデレデレニコケイ。
妻と高校生カップルみたいにイチャイチャするニコケイ。
娘に舐められてムッとするニコケイ。
自分を出版社に売り込もうと媚び媚びなニコケイ。
バズってヘラヘラ喜ぶニコケイ。
自分を利用しようとするIT企業に毅然とした態度のニコケイ。
美女に言い寄られてドキドキするニコケイ。
ビビるニコケイ。強気なニコケイ。セクシーなニコケイ。屁をこくニコケイ。血も涙もないサイコパスニコケイ。クールなスナイパーニコケイ。怒り狂うニコケイ。号泣ニコケイ。

これ、誇張でもなんでもなく全部観られた。

ホントにね、こっちはずっとニヤニヤしっぱなし。時々「ザ・ロック」「コン・エアー」「フェイス/オフ」の頃の男前ニコケイが脳裏をよぎっちゃったりするもんだから、さらに笑いに拍車がかかる。

基本ジャンルはスリラーなんだろうけど、製作者は「ニコラス・ケイジ」というメタキャラを最大限に利用して、絶対に笑わせにきてるよね。(ちなみに製作者はニコケイご自身)

これだけでもニコケイマニアとしては十分満足なんだが、こんなハチャメチャな展開でもちゃんとストーリーが一本通っているのがすごい。

なぜか何百万の人々の夢の中に現れて一躍有名人となってしまった冴えない男(=ニコケイ)の顛末話なんだが、ひたすらニコケイが理不尽な目にあって、惨めでみっともなくて、可哀想で切なくて、少しホロっとくる場面もあって、なんかいい感じで心が揺さぶられた。「A24」製作だから「どうせ意味不明系なんだろ」と先入観があったが、意外にもわかりやすくて、感情移入しやすかった。

あまりメタファーを解くのは好きじゃないけど、これは現代の「バズり至上主義のSNS世界」への警鐘なんだろうな。

意に反してバズってしまった男を描くことで、「ほんの少しの喜び」と対照的に、それに圧倒的に見合わない理不尽さ、つまり世間の軽薄さ、薄情さ、凶悪さを浮き彫りにするという。メッセージとしてはこれまで散々こすられたものでベタだけど、改めてド直球に伝わった。大事。

ところで、映画が終わって明るくなった後に劇場全体を見回してみたら、終電間際のレイトショーにもかかわらず8割強の客入りで驚いた。個人的に初日のレイトショーはよく利用するが、こんなの滅多に見かけない。

意外とこの作品、バズるんじゃないか?
面白かった。

👇 気まぐれでいいので全部押して💕
にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ 全般ランキング

-遺書(ブログ)
-

Copyright© R50(仮)-アールフィフティカッコカリ- , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.