| ジャンル | SF / ラブロマンス / スリラー / ドラマ |
|---|---|
| 製作国 | フランス |
| 製作年 | 2023 |
| 公開年月日 | 2025/4/25 |
| 上映時間 | 146分 |
| 鑑賞 | キネカ大森 |
とにかくカオスな難読系SF
最近は毎日8時間寝ているおれをオトすんだから大したもんだよ。
近年鑑賞した中でもトップクラスの難読系だから、目をと耳を皿にして必死で付いていかなきゃならないのに、必死になればなるほど眠くなる悪循環。序盤から時代と場面が頻繁に入れ替わる構成に、鼻ホジ脳が拒否感を示していたのかもしれない。
4月に日本公開されたばかり。観たいとは思っていたけれど、テリトリー外の劇場でしか上映されていなかったので、足を運ぶのが億劫で期間を逃してしまった作品。なんとこの度、行きつけの劇場で、同じく同時期に観たかった「HERE 時を越えて」とともに2本立て名画座上映されていたので、万障を排して行ってきた。(「HERE 時を越えて」に関しては別の機会で)
いや、しんどかった……。
物語の内容がじゃなくて、意味がわからな過ぎて。
これね、Filmarksレビュアたちの高評価(3.7)を見るに、多分ものすごく良くできているんだと思うんだよ。ただ個人的には前述のように終始ウトウトで、決定的な文脈を取り逃がしちゃったのかな。何がどうなっていて、どの場面とどの場面がつながっているのか、お前が誰と誰で今どの時代なのか、まったく付いていけなかった。わかってる。完全におれが悪い。
でもさ、ちゃんと自分の非をわきまえた上で聞くけど、どうなの?
わざと理解しにくく作ってるよね? 白状してくださいよ。
冒頭主人公が、全面グリーンバックのスタジオで何かの撮影をしているかと思いきや(女優?)、次の場面では歴史あるバロック調の豪邸の晩餐会で「ピアニストなの」と名乗っている。そうこうしていると、未来的な空間で就職面接みたいなことをしている。「私、優秀なのでもっと責任ある仕事ができます」とAIにアピール。次の場面では、ハリウッドのモダンな豪邸で一人で暮らしながら、のど自慢みたいなTV番組を観ながら涙ぐんでいる。これ全部同じ主人公。髪型こそ微妙に変えてあるけど、全部レア・セドゥ。
しかもね、彼女につきまとう男も全部同じ顔(ジョージ・マッケイ)。教養ある紳士だったり、休職中のプー太郎だったり、おっかないストーカーだったり。
言葉も場面によってフランス語だったり、英語だったり。とにかくカオス。
どうやら時代が違うみたいなんだよ。1910年、2014年、2044年、この3つの時間軸で、主人公ペア(レア・セドゥ/ジョージ・マッケイ)のみ固定で、それぞれ別々の出会いと経緯を描いている。つながりのない別々の話なのに、全部名前は「ガブリエル」と「ルイ」だというからさらにややこしい。
上映中ずっと脳内は、混乱とノイズと逃げのウトウトを繰り返し、約2時間半少しも楽をさせてくれなかった。長かった。率直にしんどかった。
やっぱり難読系は配信のほうが向いてるよね。きっとおれだって、劇場ではなく配信で観ていたならば、要所要所で巻き戻して、ちゃんと理解しながら観られたんじゃないかな。
いや、ちょっと待てよ。配信だったら離脱してた可能性は大だったか。
というわけで、ちょっと苦手な作品だった。
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