| ジャンル | アクション |
|---|---|
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2008 |
| 公開年月日 | 2008/9/20 |
| 上映時間 | 110分 |
| 鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
マジで・吹替で・台無しになった・傑作
長いこと美女スパコロ(スパイ/殺し屋)もの愛好家をやっているが、ずっと「大昔に観た”銃の弾道を曲げる映画“、なんだったけな……」と引っかかっていた。
これだった。
最近やたらアマプラが推してくるもんで、「観たことあるけどいいや、もう一回観てみるか」と半ば折れ気味で見放題再生。しかし面白かった。「銃の弾道を曲げる」ってところ以外は記憶ゼロ。ほぼ初見の脳で楽しめた。”老い”ってお得。
「銃の弾道を曲げる」って、知らない人はまったく意味がわからないよね。
野球でいえばカーブみたいな理屈なのかな? 撃つ瞬間に腕をひねって銃弾に特殊な回転をかける(たしか弾丸にも特殊な溝が掘られていた)。これによって弾道が鋭く曲がり、障害物の向こうの敵も撃ち抜くことができるという。暗殺者秘伝の必殺技。
斬新。そして映像とガンアクションがスタイリッシュ。これ、”ジョン・ウィック以前”の作品なんだなあ。素直にすごい。
「ヘタレなポンコツサラリーマンのこのオレが、実は歴史ある暗殺者民族の血を引く継承者だった」。
――どうだ厨二病諸君、心震えるだろ?
特に、ただのポンコツ一般人だったウェスリー(マカヴォイ!)が、暗殺者の血を呼び覚まし一人前として覚醒していく一連の流れ。ここが面白かった。多くのスパコロものでは端折られるところなので、意外と新鮮だった。
暗殺者組織はウェスリーを希望の存在として、過酷なトレーニングを課していく。まずはボコボコにされても我慢する特訓、激しい格闘特訓、精肉所での血みどろのナイフ特訓、銃器の扱い方特訓、そして走る列車の屋根上でビーチフラッグ特訓(笑)。全部ガチなので、特訓を受けるたびにウェスリーは瀕死の重傷を負う。でも大丈夫。1000年続く”秘伝の回復風呂”で一晩で回復。これが最強。
そんな過酷な反復によって元ポンコツがめきめきその能力を開花させていき、ものの数ヶ月で最強の暗殺者へと成長した。覚醒前のヘタレで情けないポンコツ演技と、暗殺者の殺気みなぎる眼光。どちらも無理なく演じ分けられちゃうのが、今思えば「さすがマカヴォイ……」と膝を打つところだった。
ほか、 アンジェリーナ・ジョリーもジャケ写ほど主役じゃないけどめちゃくちゃカッコよかったし、名優 モーガン・フリーマンもマンガっぽくなりがちな画ヅラをピシッと引き締めていた。
映像よし、アクションよし、役者よし、そして後半に意外な展開もあり。”作品自体は”ほぼ非の打ち所のないスパコロ・アクション・エンタメ大作だった。”作品自体は”大満足。作品自体は。
そうね……。
作品自体は良かっただけに、アレに触れないわけにはいかないか。主人公ウェスリー(マカヴォイ)の吹替の件。
他でも散々言われていると思うけど、2008年当時大ブレイク中だったDAIGO氏の吹替が、史上最悪なほど酷かった。滑舌が最悪な上にあり得ないほどの棒演技。
(「みんにゃ、シュわれー!シュわってくりぇー!」)
途中我慢できなくなり字幕版に切り替えようとも考えたが、アマプラだと「字幕版は400円」という絶妙な選択肢。なにそれ、ダメ吹替を使った新手の課金導引? ひどいぞアマプラ!
いや、わかるよ。映画はPRが重要で、人気タレントの吹替起用はPRの核だということは。
でもね、映画のPRのためとはいえ、やっぱりね、吹替に素人の人気俳優・アイドルを起用するのはもはや”絶対悪”だと思うんだよ。起用した日本配給に関わっている人だって全員プロだから、もう絶対わかっているよね?「作品に大きすぎる傷がつく」ことを。そして気づいているよね? 「それを犠牲にするほどのPR効果はない」ことも。
タレントにメディアで番宣させたければ、ちょい役の吹替でいいじゃない。アンバサダーに任命すればいいじゃない。もうやめようよ、こんな理不尽でウィッシュの欠片もないことは。
そんな心の叫びも含めて、本作はM・F・D・Kだった。
マジで・吹替で・台無しになった・傑作。
傑作ではある。
400円払ってでも字幕版を観るべき作品だった。
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