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呪怨(Vシネマ版1-2/劇場版1-2)

投稿日:

ジャンル ホラー / サスペンス・ミステリー / ドラマ
製作国 日本
製作年 2000(OV1-2)/2003(劇場版1-2)
公開年月日 2000(OV1-2)/2003(劇場版1-2)
上映時間 76分/76分/92分/92分
鑑賞 チネチッタ川崎(OV1-2)/アマゾンプライムビデオ(劇場版1-2)

遅咲き「呪怨」デビュー

実はこれまで「呪怨」シリーズ未経験だったもので、8月に4K版が劇場公開されたのを機に”「呪怨」デビュー”した。ただし、同じ「呪怨」でも「オリジナルビデオ版」と「劇場版」という2バージョンがあることさえ知らず、劇場で観たときはあまりのチープさに正直ガッカリしたものだった。8月に公開されたのは「オリジナル版」の方だった。

このたびアマプラ(マイシアター+)で初めて「劇場版」を1、2と続けて鑑賞して、”真の呪怨デビュー”はこっちだったと知った。この作品が、この後世界に注目されることについて、本当の意味でようやく腑に落ちた気がする。

確かにこれは怖い。気色悪い。

オリジナルビデオ版は音楽で言えば”デモテープ“のようなもので、そちらで散りばめられたラフなアイディアが劇場版で結実されたような感じ。キャスト陣も(劇場版1)奥菜恵伊東美咲津田寛治市川由衣、(劇場版2)酒井法子新山千春……と圧倒的に豪華で、画ヅラの格も段違いで見応えがあったよね。

今観るとさすがに映像が古臭いのは仕方ないとして、「当時のJホラーを世界に伝える”パビリオン”としては十分だったに違いない」と思った。

内容は、劇場版1、2を通じて、ある家の地縛霊(あの有名な伽椰子俊雄!)が、そこに暮らす家族、関係者、来訪者を次々と呪い殺していくというストーリー……というか「構成」。大した真実も、腑に落ちる大義もなく、何も悪くない善良な人々が、ほぼ脈絡もなく、理不尽に呪い殺されていく展開だから、ストーリーもへったくれもない。

きっと世界に評価されたのは、作品中でわかりやすく並べられた「これって実は怖いよね」あるあるだったんじゃないかな。

子供って怖いよね。母親って怖いよね。猫の鳴き声って怖いよね。磨りガラスの向こうって怖いよね。吹き抜け階段って怖いよね。トイレの個室って怖いよね。髪を洗っているときって怖いよね。布団の中って怖いよね。壁の物音って怖いよね。床の染みって怖いよね etc…

当時のハリウッドなんかでは企画段階で却下されそうな、超地味かつ繊細なシチュエーションを、日本人がしっかり映像に仕上げて見せてくれた。

「なるほど、確かにこれは怖い。気色悪い。これウチでもやろう!」

……などと、ハリウッドのプロデューサーが手を叩いたかどうかは定かではないが、その説得力は十分にあったよね。

現代、ここからとてつもなく進化を遂げた最新ホラーに慣れ親しんでいる我々からするとかなり物足りない作品ではあるけれど、ホラー史の1ページとしては”観ておくべき作品”だと感じた。大学に「ホラー学部」なんてものがあるならば、確実に必修科目になるでしょう。

1、2のヒットによって、シリーズはあと4作(「呪怨 白い老女」「呪怨 黒い少女」「呪怨 終わりの始まり」「呪怨 -ザ・ファイナル-」)続くらしいが、これは観ない(もちろん「vs 貞子」も)。それよりも、ハリウッドリメイクの「THE JUON/呪怨」(主演はサラ・ミシェル・ゲラー!)の方が気になる。

ところで、公式グッズに「伽椰子の尻型ハート座布団」と「俊雄の抱き枕」ってないのかな。あったら買いたい。

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