| ジャンル | ホラー / スリラー / ドラマ |
|---|---|
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2025 |
| 公開年月日 | 2025/11/21 |
| 上映時間 | 114分 |
| 鑑賞 | TOHOシネマズ川崎 |
ホラーにはありえない「○○○」ゼロ
「前作『ブラックフォン』が大好きだった」という感覚だけで、数カ月も前から「劇場で観る」と決めていた。
で、昨日いつもの劇場でいつものF列あたりを予約したときにふと思った。「あれ?『ブラックフォン』ってどんな話だったっけ」。
内容はほとんど覚えていないことに気づき、上映時間直前に慌ててYouTubeでおさらい動画を視聴した。思い出した。
[主人公フィニー]が
[子供ばかり狙うサイコパス殺人鬼グラバー]に
[監禁]されて、
[過去の犠牲者のゴースト]と、
[予知夢を見る超能力を持つ妹グウェン]に
[助けてもらう]話
だったね。(超ざっくり)
当時「こんな救いのない設定をここまで胸熱展開に持っていくブラムハウス、半端ないな」と感動したものだった。
主人公が助かることで大切な人を失ったり、
邪悪な敵が実は信頼する身内だったり、
倒したはずなのに死体が見つからなかったり、
逃げ切ったはいいけど主人公に深い傷が残ったり、
たとえハッピーエンドだとしても、「完全にはスカッとさせない」のがむしろ”ホラーの作法“みたいなところあるよね。もちろんそれでいい。好き。
でも前作「ブラックフォン」は一味違った。
殺人鬼の不気味さやスプラッター描写など、ホラーとしての”怖さ”はしっかり担保しつつも、絶望からの大逆襲あり、友情物語あり、家族の再生ドラマあり、主人公の成長あり、そして「完全勝利」ありの、ジャケの見た目とは大違いの王道胸熱ジュブナイルだった。あらためて大好き。
前作ファンの皆さん、安心してください。
今回も胸熱展開ですよ!
いやあ、ほんと良かった。ネタバレはしないけど、ラストはまんまと泣かされた。ツンデレ黒電話、ズルいよ。
前作「ブラックフォン」から4年後の話。あの可愛イケメンだったフィニー(メイソン・テムズ)も普通のイケメンになり、まだ幼かった超能力妹グウェン(マデリーン・マックグロウ)も恋する年齢になった。ジジイ的には、この変化だけでも目を細めてしまう。
いろいろあって主人公たちは極寒のアルパイン湖に行き、謎の少年たちのゴーストに遭遇するんだが、ここの演出がまあ怖い。血まみれ少年、顔真っ二つ少年、全身焼けただれ少年が、窓の外の暗闇から、部屋の隅の闇から、ベッドの下から、唐突にヌッと現れる。デカめなジャンプスケアもいくつかあったな。
割とホラー慣れしていると自負する自分でも、つい「ウヘッ」と声が出た。
そして当然、前作の宿敵グラバーも出てくる。こいつがめちゃくちゃ強いの。ただ脅かすだけの少年ゴーストたちと違って、暴力的にハッキリと危害を加えてくる。何をどうしても敵いっこない。殺られる。もう絶望的。どうする!?
――ほら、舞台は整った。
「ブラックフォン」シリーズの本領はここからですよ?
……ってところからの怒涛の反撃が最高だったよね。観た人。
前回、妹とゴーストに命を助けてもらったフィニーが、今回は妹とゴーストを助けるって構図が良かった。単純だけどさ、主人公たちが絶望的な困難に立ち向かって克服する姿は、いくつになっても拳に力が入る。
前作で最悪なDV野郎だった父親も、子供たちが心配ではるばる極寒の地まで来て合流するし、怪しかったキャンプ地の所長(疑ってごめん)も命をかけて戦うし、一点の曇りもない胸熱展開だった。ホラーにはありえない「○○○」ゼロはお見事。
ジャケに謳われている「怨心電信サイコスリラー」なんかじゃない。後味スッキリ「胸熱大逆転少年少女大人全員成長ホラー」だ。
ほんと、こういうの大好き。★4点台つけちゃう。
ところで疑問なんだけど、
今回もあれ、本当にイーサン・ホークだったの?
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