遺書(ブログ)

WEAPONS/ウェポンズ

更新日:

ジャンル ホラー / サスペンス・ミステリー / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2025
公開年月日 2025/11/28
上映時間 128分
鑑賞 チネチッタ川崎

なにこれクロサワ?

初日(平日)のレイトショーだったけど、ほぼ満員だったぞ。両サイドに人がいるのはコロナ以降は初めてかも知れない。

「なんでこの作品が?」

と調べたら、なるほど、上映館は33館しかなかったのか。

最近では珍しいR18ホラー。派手な宣伝もしていない。しかも(鑑賞した劇場は)駅から遠い。もちろん前評判の良さもあるんだろうけど、つまりおれみたいな悪趣味ホラーファンが、近隣の別テリトリーからここ一点へ集結したわけだ。窮屈だったけど、同類で埋まった劇場はなんだか居心地が良かったな。

さて「ウェポンズ」。面白かった。

描写はR指定が示す通りグロい。いや、「グロい場面が数カ所ある程度」と言った方が正確か。「SAW」シリーズとかアート・ザ・クラウン的なものを想像するとかなりマイルド。正直予告編で煽られているほど怖くもない。

この作品は、悪趣味ホラーファンが悪趣味描写を楽しむ類のB級ホラーとは、いい意味で違った。むしろシナリオ重視な、ミステリー寄りのオカルトサスペンスだったね。

導入からいいんだよ。

ある夜の深夜2時17分、ある小学校の低学年クラスの子供たち17人が突然ベッドを抜け出し、暗闇の中へ走り出したまま失踪した。いったい彼らに何が起きたのか?

【消えた子供たちの担任教師ジャスティン(ジュリア・ガーナー)】と、【消えた子供を執念で探す父親アーチャー(ジョシュ・ブローリン)】、【小学校の校長マーカス(ベネディクト・ウォン)】、【警察官ポール】、【ヤク中ホームレスのジェームズ】、そして【クラスの子供の中でただ一人失踪しなかったアレックス】、6つの視点で謎を明らかにしていく構成。

ほらもう、これだけで面白そう。なにこれクロサワ

同じ時間帯を別の視点で描くことになるので、時系列が行ったり来たりもする。しかし一切混乱することはなく、ちゃんと”のりしろ”みたいなシーンがあるから見やすい親切設計。チャプター(視点)ごとにドラマのクリフハンガーみたいな「謎」が置かれていくんだけど、必ず次のチャプターで明らかになるのもジジイにはありがたい。「ええ?なんでそうなるの!」から「なるほど、こういう背景があったのか!」と、次へ次へと話が繋がっていく構成が気持ちよかった。

一部で「考察系」なんて言われているので、最後はスッキリしないんだろうな……なんて警戒していたけど、全くそんなことはなかった。128分内でちゃんとスッキリ解決。エピローグ後味の悪さも絶妙で好みだったな。アイツの目的なんてどうでもいいじゃない。

根っからのホラーファンもサスペンス好きな映画通も同時に楽しめる、非常にレンジの広い作品だと思った。R18というハンデを持ちながら、アメリカ興収3週連続No.1を獲得したのも納得のエンタメ作。もちろんおれも大好き★4点台。

特に「ストリート・オブ・ファイヤー」(84)を人生マイベスト上位にランキングしているような同志たち(たくさんいるよね)は、ぜひマッコイ(エイミー・マディガン)の怪演をお楽しみに!

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