朝起きたら、身体が悪寒に支配されていた。
寒い。いや実はエアコンのおかげで、本当はむしろ暑いんだが、寒い。
喉と鼻の奥に嫌な痛みを感じる。
そして、関節まわりの筋肉の違和感。
朝食はとっていないのに、昼になっても食欲が湧かない。
間違いなく風邪だと確信した。
明らかに熱がありそうなんだが、体温計を見てしまったら、風邪が本格化しそうな気がする。
ただ、このままだとちょっとマズイ。インフルだったらどうする。幸いなことに今は暇だからいいが、家族に迷惑はかけられない。
そんなことを考えると、急に息苦しくなってきた。満を持して熱を測る。
37.4度だった。
微妙だ。そんなはずはない。
上手く測れていなかった可能性があるので、念のためもう一度測る。
37.2度だった。
間違いない。拍子抜けしたが熱はそれほどない。
サラリーマンならギリギリ休めないレベルだろうか。
ルル3錠飲んで横になっとけば大丈夫だろう。
不思議なもので、そう思うと体調に変化が起きた。
悪寒が少し引いた。
詰まっていた鼻が通った。
嫌な筋肉痛が収まった。
そして、腹が鳴った。
体温計を見ると風邪が本格化することもあるが、逆もあることを知った。