緊急事態宣言下のこの自粛期間中は、韓国映画に完全にハマっている。
ハマったきっかけは、ご多分に漏れず宣言直前に映画館で観た「パラサイト 半地下の家族」だった。
アカデミー作品賞受賞作ということで思いっきりハードルを上げて観たが、それを上回る面白さだった。帰宅してすぐに、アマプラから探した同じくポン・ジュノ監督作品の「グエムル 漢江の怪物」を観てしまったほどだ。
これも最高に面白かった。泣いた。ソン・ガンホ最高。
そうだ。しばらく遠ざかっていたが、もともとおれは韓国映画が好きだった。
人生ベスト5映画には名作「猟奇的な彼女」が堂々ランクインしているし、名優ハン・ソッキュの代表作「シュリ」はDVDを持っていて、定期的に観てはラストで涙している。「オールド・ボーイ」は、10年以上たった今でもトラウマレベルで胸奥にくっきりと傷が残っている。
チョン・ジヒョン(「猟奇的な彼女」主演)つながりで観た「イルマーレ」「僕の彼女を紹介します」も本当に心掴まれたし、ああそうだ「デイジー」もよかったなあ。
……あれ? 韓国映画好きというよりは、ただのチョン・ジヒョン推しだったのか。
まあ何にでも言えることだが、きっかけなんてなんでもいい。おれが言いたいのは、今のところ「韓国映画にハズレなし」ってことだ。
そうだ。
宣言が発令されて自宅引きこもりを余儀なくされた機会に、ここは韓国映画を観まくろう。
ちょうど今、ずっと契約しているAmazonプライムビデオに加えて、事情があってHulu、DTVと合計3つのサブスクが見放題だ。
この3つのサブスク動画サイトで特に面白そうな韓国映画をリスト化し、片っ端から観ることにした。
ということで、4月7日の宣言後に観た韓国映画が以下である。
「殺人の追憶」
「母なる証明」
「アジョシ」
「悪女」
「The Witch 魔女」
「タクシー運転手」
「国際市場で逢いましょう」
「新感染 ファイナル・エクスプレス」
「怪しい彼女」
「サニー 永遠の仲間たち」
「トンネル 闇に鎖(とざ)された男」
「LUCK-KEY ラッキー」
「哭声/コクソン」
「お嬢さん」
「監視者たち」
「7号室」
「白夜行」
「容疑者X」
「コンフィデンシャル 共助」
まだリストは消化しきれていないが、約3週間で18本観た。
前もって評判を見ながら吟味したというのもあるが、どれ1本として「面白くない」という作品はなかった。
いまだ「韓国映画ハズレなし伝説」は健在である。
日本人にとっては、韓国という国家に対して複雑な思いがある。
誰だって、自分を嫌いという人間を好きになれない。韓国映画が好きだったおれがしばらく韓国映画から遠ざかっていたのも、多分そのイメージのせいだ。
しかしこの3週間にわたる韓国映画ウィークを経てよくわかった。
韓国人(少なくとも韓国の映画人)の感性はすごい。
「パラサイト」が特別というわけじゃないぞ。
脚本はどの作品も必ずひとヒネリある。女優が可愛い。
しっかり笑わせるし、しっかり泣かせる。女優が可愛い。
アクションはとことんカッコいい。そして何より全カットの画作りが美しい。女優が可愛い。
斬新な編集、効果的な音楽。俳優たちの演技もいいんだよなあ。女優が可愛い。
どれをとっても最高。女優が可愛い。
もちろんハリウッド映画にも日本映画にも、単品では「最高!大好き!」といえる作品はいくつもある。
ただ「韓国映画」という大きな”ジャンル”として比較すれば、個人的には予算をジャブジャブ使ったハリウッド映画よりも、正直上だと感じてしまった。
ましてや、テレビ業界(アイドル業界)が支配する今の日本映画などは足元にも及ばない。
韓国という国家のイメージだけで、食わず嫌いをしていたのはもったいなかったなと反省した韓国映画ウィークだった。