遺書(ブログ)

かなしい明晰夢

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夢を見た。荒唐無稽だったが、やけにハッキリした夢だった。

外出中に友人(?誰かは思い出せない。たぶん仲がいい)から電話がかかってきた。
「いまゴルフ中なんだけど今から来ない?」

「いやあ、今外出中だから……」と断ろうとすると、「いまアスカちゃん(娘の名前/仮名)と一緒だから来いよ。みんなで一緒にコースまわろう」と説得された。

夢なので、その友人と娘が一緒にゴルフしていることについては全く疑問に思っていないおれ。ただし、自分と娘(16歳)との関係性については夢の中でも気にしているようで、「いやあ、おれが行ったらアスカ(仮名)が嫌がるんじゃないか?」と渋った。

すると電話の向こうの友人は、近くにいるだろう娘にゴニョゴニョ話しかけ、こう付け加えた。

「アスカちゃん、お父さん来ても別にいいってよ」

このときの感情はすごく嬉しかったのでハッキリ覚えている。
「来てほしい」ではない「来ても別にいい」だ。大歓迎というわけではないようだが、拒絶はされなかったことが嬉しかった。夢だというのに我ながら健気だ。

「わかった、今から行く!」と即答。

なぜか部屋のクローゼットからパター(?)を取り出し、急いで電車(?)に乗り込んだ。

途中、乗り換えを間違えたり、駅のベンチにパターを忘れて取りに行ったり、ユニクロでポロシャツを買ったりしたが、このあたりはあまり明確には覚えていない。ただ紆余曲折あってようやく目的地のパターゴルフ場に到着した。

「ゴルフってパターゴルフかい!」

とツッコミながら(事前にパターを用意しているあたり、知っていた説もある)、友人たちを探す。

ここでも人違いがあったり、なぜか大規模ショッピングセンターに迷い込んだりといろいろあったが、次第に暮れゆく空に焦りながら、ようやくグリーン上でキャッキャ楽しんでいる友人一行を見つけた。一行は2人じゃなかった。5~6人いた。その中にかみさんもいた気がする。

「おーい!」と手を振ると、その中の一人がつかつかと早足でおれの方に歩いてきた。娘だった。

娘はおれの耳元に口をあて、静かに、しかし強い口調でこう言った。

「なんで来たの?」

ホラーだった。コワ悲しかった。ギュッと胸が痛くなった。
このときの感情もハッキリ覚えている。「来ていいって言ったじゃないか」という理不尽ではなく、越えようのない高い壁を目の当たりにした絶望だ。
急に恥ずかしくなったおれは、ごまかすように答えた。

「たまたまショッピングセンターに来ただけだよ。たまたま。じゃあね」

肩を落としながら、来た道を引き返すおれ。背後からは再びキャッキャと楽しむ友人一行の声が聞こえる。

そんな楽し気な声をBGMに目が覚めた。

おれは、窓から朝日が差しこむベッドの上で小さく丸まっていた。

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