「馬鹿だ」と思ってもらっていいんだが、昨夜スポナビで順位表をまじまじと見て愕然とした。
首位ソフトバンクとの差は11.5ゲーム。2位ロッテとの差は9.5ゲーム。
おれの中のリトル小峠が叫ぶ。
なんて差だ!
順位表は常に見える場所にあり、気付く機会はいくらでもあった。でも目をそらしてたんだろうなあ。事態の深刻さを正確には認識していなかったみたいだ。
それでも、いつものように
「ってことはハムが12連勝してバンクが12連敗すれば捲れるじゃないか!」
などと全肯定ツッコミを入れてやりたいところだが、さすがに残り28試合ではおれの中のリトルぺこぱも沈黙してしまう。
計算によると、ハムが残り試合全28勝しても、ホークスがたった16勝(28試合中)すれば届かない。もちろんあり得ないとは言わない。できれば言いたくなかった。ただ順位表を見て、中二病ハムファンのおれでもわかった真実がひとつだけある。
今季たぶん、ファイターズは優勝しない。
(ついに言ってしまった……)
この現実の前では、さすがに「何が何でも優勝するんだ!」は体に悪い。
おれは4~5分落ち込んだ後、切り替えた。
今季残りは28試合しかないんだ。
おれは、コロナ禍によって開幕が3ヶ月伸びたことも、試合数が120試合に縮小されたことも、そして、これらによって「野球を普通に観られる喜び」を再認識できたことも忘れていない。
またあのツマラナイ「野球のない冬」がやってくる。“野球のある今”を骨の髄まで楽しむのだ。
残念だけど優勝は来年だ。
今年優勝できないからといって、意気消沈しながら観たって楽しくない。「あそこでアイツが打たないから負けた」「あんな継投するから負けた」なんて愚痴ったってつまらないぞ。野球はエンターテイメントだ。自ら進んで楽しむものだ。
「優勝を目指す」ストーリーがほぼ消えたのは残念だが、目を凝らせば今年のファイターズには見どころがまだまだたくさんある。
ここからは、残り試合に向けたおれの願望を書く。
中田翔の2冠王
やっぱり中田のホームランは格別だ。勝敗に関わらず、中田にホームランが出るとそれだけでお腹いっぱいになる。おれなんか、その夜はパ・リーグTVのマルチアングルでしつこく舐めまわす。PCでキャプチャを撮りながら、「おっ、この角度カッコいい」「やっぱり真横が最高だよな」とか夜な夜なつぶやいている。高1の娘には絶対に見られたくない姿だ。
残りの28試合は、そんな中田のホームランをできるだけ多く見ることができれば幸せだ。ここ数試合は絶不調だが、すぐに7月8月の“鬼のような四番打者”が戻ってくることを信じる。
そして、なんとかホームランと打点の2冠王を達成してほしい。
近藤健介の首位打者
「天才打者」「大明神」と呼ばれるようになって久しい近藤だが、今年こそ、首位打者の冠が欲しい。今はまだオリックス吉田正尚に少し離されているが、あの高打率をキープするのは難しい。今に手が届く位置まで降りてくる。
ここにきてバンクの柳田も調子を上げてきているが、四球で打数の少ない近藤ならば調子を取り戻せば十分差し切れる。正尚もギータも偉大な打者だが、打撃の技術で近藤健介と肩を並べられるのは日本人では秋山翔吾しか存在しないと思っている。
秋山がメジャーに旅立った今がチャンスだ。絶対に首位打者を獲得して、中田の2冠と含めて打撃3冠をハムで独占してほしい。
西川遥輝の3割盗塁王
西川はこれまで3度の盗塁王に輝き、打率3割も一度マークしているが、「3割盗塁王」はない。意外と知られてないが、「3割盗塁王」はファイターズで誰も達成したことがない金字塔だ。ファイターズ史に残るリードオフマンになれるかどうかの壁に、いま西川の手がかかっている。必ず手に入れてほしい。
盗塁の方では、ソフトバンクの周東佑京に4つ差(30個)で離されている。しかし毎試合上位打線で出場し、出塁率も高い西川が本気で”獲り”にいけば余裕で捲れると思う。しかも(これは言いたくなかったが)あちらは優勝がかかっているため、そう無茶はできまい(ニヤニヤ)。
大田泰示の3割
大田泰示がファイターズに来てもう4年だ。巨人で8年間も1軍2軍を行き来していた男が、移籍1年目で初の規定打席、3年目の昨季は強打者の称号「20本塁打」も達成した。これだけでもハムファンとしては痺れるストーリーに仕上がっているが、今年はぜひともプロ野球全選手が憧れる「3割打者」にこだわってほしい。10/6現在で.301と手に届く位置につけている。
おれたちは、大田泰示が開幕から1ヶ月以上不振にあえいていたことを覚えている。打率はずっと1割台で「今年の大田はダメだ」「去年までの大田じゃない」「二軍に落とせ」という手厳しい声が飛び交った。
そんなどん底から這い上がり、いま胸のすくようなリカバリー劇の真っ最中だ。「3割打者」という称号を手に、ハッピーエンドで終わらせてほしい。
清宮幸太郎の2桁ホームラン
10/6現在での清宮幸太郎のホームランは6本塁打。いま120試合中92試合だから、単純計算でいえばあと2本は打てる計算だ。8本でも「キャリアハイ」(これまで7本)といえるが、清宮には今年、何が何でも2桁(10本)に届かせてほしい。
ここ1~2試合は不発だが、9/26の土壇場代打3点タイムリーや9/27の5号HR、10/1の6号(これはすごかった!)あたりから覚醒が始まったと感じている。
もうこれまでの「2割、7本塁打」の選手じゃない。残り試合でシーズン40本塁打のポテンシャルを見せてほしい。シーズン40本塁打なら、あと30試合あれば7本だ。「期待しすぎ」か? いやいや、 10/1の6号を見直せばわかる。清宮はそれだけの器だ。
上沢と有原と杉浦の10勝
上沢直之7勝、有原航平5勝、杉浦稔大6勝。残り試合を考えると、それぞれあと4~5登板。上沢は残り3勝だから1度2度は失敗できるが、有原と杉浦はほぼ全勝しなければならない。かなりハードルが高い。
上沢は昨夏の”ハマの悪夢”から1年かけて復活した。リハビリは本当に辛い日々だったと思う。あの大事故を横浜スタジアムで生で見ていたおれとしては、復帰登板は本当に泣けた。復帰初勝利も泣いた。パ・リーグ19年ぶりの「カムバック賞」は間違いないと思うが(おい絶対獲れるよな??)、この賞をより美しく飾ってくれる「10勝」はどうしても欲しい。打線は援護を頼む。
有原はダルビッシュ、大谷から続く、ハムが誇るべき「エース」の継承者だ。150km超のストレートと多彩な変化球、抜群のコントロール。相手球団が最も嫌がる、日本有数の大投手だ。そんな有原にシーズン一桁勝利は似合わない。ただし今季は、昨年克服したと思っていた「連打病」が再発したのか、相手に効率よく点を取らせてしまう場面が多い。そのせいか「去年の有原じゃない」と言われることもあるが、そんなことはない。実は調子に大きく左右されず、11QS(リーグ2位)をマークする有原はやっぱりキング。「3点取れば勝てる」投手なんだから、残り5先発5勝は決して夢じゃない。打線は援護を頼む。
杉浦は個人的に応援してきた投手だ(大学の遠い後輩なので)。國學院大學では史上2人目であるドラフト1位でヤクルトに入団したが、いきなり肘の怪我で離脱した。忘れた頃に(失礼!)ハムにトレードで入団した時は嬉しかったなあ。そして2018年衝撃のパーフェクト初登板(5イニング無安打1死球)では泣いた(忘れてたくせに)。その完璧すぎる投球ぶりと中10日という”過保護”運用で、当初は「ガラスのエース」などと呼ばれていたが、今ではランナーを出しても決して折れない「泥臭いローテ投手」。念願の10勝は今年だと信じる。打線は援護を頼む。
チームのAクラス
ここまで勝敗度外視の願望を並べてきたが、とはいえ、野球は勝った方が嬉しい。だから「勝って嬉しい」見どころも設けておきたい。
そうなると、ちょうどいいのはAクラス(3位)か。
(ドラフトでは下位の方が有利という意見もあるが、そういうのはいい)
10/7現在で3位の楽天とは3.5ゲーム差。残り28試合を考えると、決して簡単じゃない。しかし、中田、近藤、大田、清宮、上沢、有原、杉浦が、前述したおれの願望をすべて叶えてくれさえすれば、自動的にAクラスにいるはずだ。まだまだ「勝てば嬉しい」「負ければ悔しい」も楽しみたい。
さて、ここまで読んでくれた2~3人よ。もう一度言う。
今季たぶん、ファイターズは優勝しない。
それならば、「Withコロナ」ならぬ「Without優勝」でプロ野球を楽しめばいい。
#お楽しみはこれからだ。
(昨季9月に出されたスローガンと、だいぶ意味は違う)
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