勝利投手 日本ハム 伊藤 (5勝4敗0S)
敗戦投手 オリックス 増井 (2勝5敗0S)
セーブ 日本ハム 杉浦 (0勝2敗13S)
一昨日の試合は「24年ぶり10連勝」、昨日は「37年ぶり11連勝」、そして今日は「18日ぶりの黒星」をバファローズに贈った。絶好調バファローズの長い長い連勝街道は、ファイターズが投打一丸となって止めた。
ここ5試合、タイムリーヒットが1本しか出なかったファイターズ打線が、今日は初回から四番王柏融のタイムリーで先制。さらに、まるで呪いが解けたかのように、3回には髙濱祐仁と王、5回にも渡邉諒によるなんと計4本のタイムリーヒットが飛び出した。これに4回表の野村佑希の今季初となるソロホームランを加えて、5回までに5得点。ファイターズは序盤から試合を優位に進める。
一方、先発の伊藤大海は毎回のように先頭ランナーを出しながらも、粘りのピッチングで好調バファローズ打線を最小限に抑えていく。初回から制球に苦しみ、とても好調というわけではなさそうだったが、伊藤クラスの投手になるとその日その日の好不調はあまり関係ない。たとえ不調だったとしても、試合中に修正を繰り返しながら試合を作るのがエース投手。伊藤はそれができる投手だった。1~3回は無失点、4回裏に猛牛打線に捕まり2点を失ったが、5回6回は0に抑えた。
7回は粘投の伊藤を下げて、堀瑞輝がマウンドに上がった。これは、今季ここまでハマった記憶のない「勝ちパターン2021」を今日こそ決めたい!――というベンチの意図を感じた。
前半シーズンをフルに使って、トライアンドエラーを繰り返しながらようやくたどり着いたカタチだ。「今日これが失敗したら後半戦は闇」くらいの大袈裟な気持ちで、手に汗握りながら789回を見守った。
7回の時点で3点リード。7回の堀は先頭打者をヒットで出塁させるも、続く3人を三連続凡退に打ち取り(ライト近藤健介のスーパープレイを含む)、8回ロドリゲスは危なげなく三者凡退。そして9回杉浦はバファローズの脅威の代打攻勢(ジョーンズ、モヤ)も、まったく怯まず退け三者凡退。
絶好調のバファローズ打線を相手に、ようやく「勝ちパターン2021」が完璧にハマった。これは、シーズン後半戦の反撃に向け、とても意味のあることのように思えた。
ここから後半戦、安定した先発陣がリードで6回まで投げれば、この勝ちパターンが何とかしてくれる。そう思えば先発陣のペース配分も配球も変わってくる。
危なくなれば今季は頼れる河野竜生、井口和朋もいる。百戦錬磨のレジェンド宮西尚生だっている。(さらに玉井、秋吉あたりが調子を取り戻してくれれば心強い)
もともと打撃は好調な野手陣も「タイムリーが打てない呪い」さえ解ければ、得点力は上がるしかない。
今日、バファローズが連勝を11で止めたが、今度はファイターズが連勝街道を突っ走る番だ。バトンはありがたく受け取った。
さらに一皮むけた野村佑希の今季初ホームラン
ようやく“解禁”されたタイムリーヒット4本に隠れてしまいがちだが(隠れないか)、4回表に野村佑希が放った今季初ホームランの弾道は憶えておきたい。
この回先頭打者として打席に立った野村は、バファローズ先発増井浩俊が1球目に投じたインハイに外れるストレートを悠々と見送り、2球目大きく縦に割れるカーブを空振り。そして3球目、カウントを稼ぎにきた甘いストレートを強打。
ジャストタイミングで、バットの真芯に捉えた打球はいい角度で上がり、勢いを止めることなく京セラドームの3階席(?)に飛び込んだ。
滞空時間の長い「アーチスト打球」というよりは、強打者特有の速い打球のライナー性。低めの弾道をたどりながら、打球速度を緩めずに突き刺さる感じ。打球角度は約30度。
ここ数試合の野村は、とても集中して打席に立っている感じがする。その集中力は結果にも表れていて、昨日は今季初の猛打賞を獲得した。一昨日は途中出場で2打数0安打だったが、最終打席の粘りは目を見張るものがあった。
最近調子を上げてきたクリンナップの後の打順を任されることが多いため、チャンスで打てないという弱みが露呈しているが(得点圏打率.111)それは次の課題だ。
野村が絶好のチャンスを潰し、死ぬほど悔しそうな表情を見せるたびに、おれにはドラクエのレベルアップ音が聞こえている。