勝利投手 楽天 瀧中 (8勝4敗0S)
敗戦投手 日本ハム 伊藤 (9勝7敗0S)
ファイターズ先発の伊藤大海が1回2回と打ち込まれ、序盤に4失点。打線もこのビハインドを最後まで跳ね返すことができず沈黙。伊藤は9月7日に10勝に王手をかける9勝目をあげながら、3週連続で「2ケタ勝利の壁」に跳ね返された。
今日の伊藤は、調子が良かったのか悪かったのかどうかもわからない。わからないうちに、味方守備の見えないミスや、不運(もちろん相手の巧みな攻めもあった)も重なり、そのまま悪い沼に引きずり込まれたような感じだった。
気づけば2回で6安打1四球を集められ4失点。この後伊藤も立ち直りなんとか無失点で切り抜けていくが、今のファイターズ打線には「4点」のビハインドはあまりに大きすぎた。
イーグルスの先発は、対ファイターズ戦で防御率0点台という瀧中瞭太。この憎っくき“ファイターズキラー”を今日も捕らえることができず、7回途中まで投げさせて散発5安打の無得点。以降も反撃の狼煙すら上がらず無安打。
7回裏には代走出場の辰己涼介にダメ押しのタイムリーヒットも決められ、ファイターズはいいところなく完敗。これでなんと14度目の完封負け(プラス完封分けが1度)となった。
もう完封はこりごりだ。明日はアホの子のように打ちまくってほしい。
DJ ASAMURA vs. El Felino のラップ(?)バトル
今日の試合では、最近ではめっきり見なくなった「乱闘騒ぎ」が起こった。
5点ビハインドで迎えた8回裏、2アウトの場面で、この回からマウンドに上がった鈴木健矢が浅村の左足に死球を当ててしまった。
「おい! そんな厳しい球を投げる場面か?」といったところなんだろう。これに怒った浅村は一度マウンドに詰め寄るも、帽子を取って謝罪する鈴木を見て、いったんは怒りを収めて一塁へ歩く。
しかし浅村に代走が告げられて、一塁からベンチに戻る際に怒りが再燃した。鈴木に何かをまくしたてながらマウンドに近づいていく浅村を見て、ロニー・ロドリゲス(!?)がベンチから飛び出した(!!)。
ここで両軍ともに火が点いた。
若い鈴木を守るように取り囲むファイターズ内野陣。エキサイトしたR.ロドリゲスを、慌てて止めに来るベンチメンバー。遅れて外野陣もやってくる。当然、イーグルスベンチからもゾロゾロと選手が集まってくる。ネクストバッターズサークルにいた島内弘明なんかは、ヘルメットをかぶりプロテクターを装着して、バット片手に完全武装だ。
そのころ浅村といえば、チームメイトに腕を掴まれながらベンチに引き下がっていたんだが、同じく仲間に取り押さえられていたロドリゲスに対して「かかって来いよ」のゼスチャーをしてしまった。
これが良くなかった。
怒りが頂点に達したロドリゲスは、当然のようにその挑発に乗ってしまう。仲間の腕を振り払い、まるでアメフトのランニングバックのように浅村めがけて猛突進。
もちろんすぐに取り押さえられ、ここで無事鎮火となるんだが、これが審判団によって「警告試合」と宣告されてしまった。なんとも後味の悪い結末。
ただ、正直いうと、「興奮しなかった」といえば噓になる。いいや、言っちゃおう。ハッキリおれはワクワクしながらこのシーンを見ていた。特に今日の試合は、伊藤大海も打たれたし、打線はイーグルス打線をまったく打てない。ファイターズファンにとっては、とにかくストレスのたまる試合だった。
この中でただ一人、痛みを被った浅村には大変申し訳ない。心から無事を祈る。しかし、今日び滅多に見られない「乱闘騒ぎ」に少しだけ心躍らせてしまったのは、多分おれだけじゃなかったはずだ。
伊藤の2ケタ勝利がお預けになった残念さも、今日の完敗の辛さも、すべて上書きしてくれるインパクトがあった。そういう意味で、心に残る試合になった。