地雷臭もプンプンしたが、ぶっ飛んだ設定に惹かれて鑑賞。
食べられるまでの7日間。「人生の残り時間をどう過ごすか」というテーマに行くかと思えば、主人公は想像を絶するほどの無気力で、別に何かしたいことがあるわけじゃない。
「なるほど、最後にいい人に巡り会えて、暗闇だった人生に未練が出てくる話かな」と確信した瞬間に裏切られ……。
もう「これでもか」というくらいに主人公を不幸に突き落とす。本当に見ていられなかった。
特に一目だけでもと会いに行った娘に「気持ち悪い。早く食べられればいい」などとあまりに冷たい言葉をぶつけられたシーンは、同じような娘を持つ父親として辛過ぎた。
「大丈夫だ。最終日にきっといいことがある。そうだきっと娘が会いに来てくれる。木下や元妻が交通事故に遭う。なんなら宇宙人が突然滅びるとかでもいい。頼む、あってくれ!」と本気で祈りながら観たが、結局そんなこともなく……。宇宙人にすら「まずい」と言われてしまう始末。
とにかく救いのない後味の最悪な作品だった。
……と観客に言わせるのが監督の狙いなんだと思う。見事に成功しましたね。
設定と主人公のキャラクターは良かったので☆2。個人的には得るものはなかった。
あと最後に一つだけ言いたい。
80分の作品にもかかわらず、ラスト近くで7分たっぷり使った弁当シーン。やりたいことはわかるけど、あれは狙いすぎだと思う。