なんで今日なんだ
今日は今季初の2ケタ安打(11安打)で5得点したが、今季最多の8失点で再び連敗街道。
投手陣が2~3失点で好投した試合では打撃陣は沈黙し、序盤から大きくリードされた今日のような試合で打つ。
「なんでよりによって今日なんだ」
……などと、投打のかみ合わなさに嘆きたくもなるが、因果関係はあると思う。僅差の試合では打てなくても、「負けてもともと」と開き直ったとたんに本来の実力を発揮する(そして、僅差に迫るとまた打てなくなる)。わざわざ文字にして言うことではないが、要するに今の若いファイターズ打撃陣はプレッシャーに弱い。
プレッシャーという分野ではバケモノである新庄ビッグボスが、選手の技術うんぬんよりも手を付けたいのは、まずはここなんだろうなと想像する。開幕十数試合の選手起用を見ていると、若手中心にプレッシャーに強いチームへ強引な急仕上げをかけているようにも見える。(近藤スタメン落ちなんかは特に)
結果が伴っていない現状では、まだ「ファンが楽しめる野球」というのは実現できていないが、こうした辛い時期を乗り越えて、シーズン後半には花開くと楽観して待つことにする。そうなれば、今の辛い時期の記憶はむしろスパイスになる。
淺間3二塁打とマンチューライナー弾
というわけなので、今日は打つ方で見どころは多かった。特に淺間大基と万波中正だね。
淺間は1打席目から、初球の低めストレートをドンピシャでミート。勢いが強すぎてライト正面かと思われたライナーは、野手の前でググっと伸びてライトオーバー。これはすごい当たりだった。2打席目も同じような低めのストレートを叩き右中間真っ二つ、第3打席は外の変化球を上手に捉えライト線へ。これがなんと3打席連続ツーベースとなり、大明神・近藤健介が持つ「4打席連続ツーベース」に王手をかけた。
ノッているときの淺間は止まらない。このまま続くかと思いきや、多少意識があったのか4打席目5打席目は続けて三振に倒れた。淺間は雑念なく、ただ調子に乗っているときに本来のポテンシャルを発揮する。
そして万波。最高の当たりだった。万波のホームランは「最高の当たり」としか言っていない気がする。
3回裏先頭。初球だった。外目に逃げるスライダー(?)を力でねじ伏せるように左中間へ。角度は低く、フェンス直撃かと思ったライナーが、高度を落とさずにそのままレフトスタンド下段へ突き刺さった。
万波は、1号のように高角度で滞空時間の高いホームランもあれば、今日のようなライナー性のホームランもある。ホームランソムリエ(自称)のおれも、パ・リーグTVで何度もリピートしてしまうような、素晴らしいホームランアーチストだ。
今年はその”作品”を、何度でも堪能させてもらいたい。そう思わせる打者に成長した。今後がさらに楽しみだ。
ほかにも「四番松本剛の勝負強さ」「代打の切り札清宮幸太郎の一撃」「西村天裕の魂の3イニング」も熱かった。
こうやって書き出してみると、今日の試合はなかなか良いシーンが多かった。これに「勝利」という結果が伴ってくればもっといいんだが、それはもう少し先の話なんでしょ。