ジャンル | ホラー / ファンタジー / スリラー |
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製作国 | ノルウェー=デンマーク=フィンランド=スウェーデン |
製作年 | 2021 |
公開年月日 | 2023/7/28 |
上映時間 | 117分 |
鑑賞 | アマゾンプライム |
史上最静寂の超能力バトル
ラストバトルの演出がとにかく最高。
中二病心(中年)を鷲掴みされた。
たくさんの家族が思い思いの休暇を過ごす公園。
池を挟んで対峙するベンとアナ。
静かに力をぶつけ合うが、見た目ではわずかに水面がざわつくだけ。
周囲の人々は気付かない。
見えない力に倒れるアナ。
ただならぬ雰囲気を数人の子供たちが気づき、静かに加勢し始める。
吠える犬。大人たちは誰も気づかない。
公園の楽しげな雑音のなか、ひとり後ずさりするベン。
ブランコまで追い詰められる。
静かに戦うアナの手を黙って握るイーダ。
さらに加勢する子供たちが増える。
見えない圧に囲まれたベンは思わずブランコに座り込む。
アナの足元の砂場がざわつく。
その瞬間、ベンが白目をむいてガクッと頭を垂れる。
泣きだす赤ちゃん。大人たちは誰も気づかない。
史上最静寂のラストバトル。しびれた。
低予算(と思われる)なので、全体的に地味な展開と絵面。ロケーションも広くない。
当然、中盤までは退屈することもあったけれど、すべてこのシーンの前フリだった。
派手なCGやアクションを使わなくたって、めちゃくちゃ興奮する超能力バトルが作れる。
実はこれを書きながらもう一度観たが、もう一度「頑張れ!もう一押しだ!」と、手に汗を握りながら応援した。
大友克洋の「童夢」のパクリだ言う人もいるし、多分その通りだと思うが、むしろパクってくれて感謝したい。
日本の映画業界ではこのシーンは作れない。