遺書(ブログ)

テルマ&ルイーズ

投稿日:

ジャンルドラマ
製作国アメリカ
製作年1991
公開年月日1991/10/19
上映時間130分
鑑賞アマゾンプライム

クズ男の見本市

「登場する男性が全てクズ」というのが、あまりに現実離れしていて(=物語を展開させるのに都合よすぎて)個人的にはノレなかった。
主人公たちが「そういう連中を引き寄せる」体質(実際にそんなセリフもあった)ということで自分を納得させながら観たが、それがかなり雑音になった。

主人公2人のキャラクターと友情の描き方は好感が持てた。
気が短いけどしっかり者のルイーズと、少しおバカだけど気の優しいテルマが、お互いの欠けている部分を補い合って行動している様子で、わかりやすく「理想の親友像」を見せてくれた。

中盤のテルマ覚醒によって、キャラが逆転するのもいい。
本当にこの2人の関係性は見ていて気持ちが良かった。

ただし、どうしても前述の”雑音”は拭えなかった。

そんな2人が仲良く旅行に行く話だったんだが、それではドラマにならないから「男どもに悪さをさせて展開を動かす」という構造が、正直見えてしまった。

DV夫にレイプ魔に詐欺師。

全員この2人が引き寄せたクズ男ではあるものの(よく見りゃ3人ともテルマが引き寄せている)、いくらなんでも、わかりやすい「クズのサンプル」みたいな奴を集めすぎでリアリティを感じられなかった。お国柄、時代柄、こういうもんだったのかね。

そんな彼らの”功績”(製作者にとっての)によって、ただ旅行に行くだけだった親友2人が結局ああいう結末に導かれてしまうわけだが、それがあまりに悲しい。
男どもではなく、彼らを都合よく操る「製作者たちに殺された」という感覚になった。

そんな感覚だから、ラストをまるで「カッコいい」「清々しい」もののように描いた点も白々しく感じてしまい、引いてしまった。

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