ジャンル | アクション / コメディ / サスペンス・ミステリー |
---|---|
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2022 |
公開年月日 | 2023/9/22 |
上映時間 | 129分 |
鑑賞 | アマゾンプライム |
名優ユ・ ヘジンが最高に輝くエンタメ作品
アクションコメディというジャンルとしてほぼ完璧なんじゃないか、とまで言っちゃうのは少し大袈裟すぎるだろうか。
めちゃくちゃ面白かった。
アクションがカッコよくて、サスペンスにハラハラして、主人公たちの熱さに興奮して、ギャグセンの高いコメディ演出に笑って、家族や仲間の絆にホロリとした。
エンタメの要素すべてがここまでバランスよく散りばめられた作品の例を、自分の映画引き出しではサッと思い出せない。
名作でいえば「M:I」や「007」よりはちゃんとコメディ。「ビバリーヒルズ・コップ」や「キングスマン」ほどにはフザけてない。でもアクションは「ジョン・ウィック」に負けないくらいにキレキレ。
バランスは好みによるので「これが正解」と言い切っちゃいけないが、個人的にドンズバだった。これが正解。
とにかくヒョンビンがカッコいい!
当方おやじだがホレた。なんていうのかな、われわれジジイ世代でも見ていて落ち着くイケメン。北の刑事役ということで当然なんだけど、黒髪短髪。冷静沈着で義理に厚い。イケメンというよりは、若い頃の高倉健を思わせるような男前。この男前が、キアヌばりのスタイリッシュアクションで敵を圧倒する。
今回助っ人として加入したもう一人のイケメン、ジャックもヤバイ。
ダニエル・ヘニーという韓国系のアメリカの役者さんらしいんだが、こっちはキザ系の最高峰。作中で女性たちを虜にするウインクに、おじさん(おれ)もメロメロ。ヒョンビンが健さんなら、こちらは小林旭だ。
しかしだ。
この超絶イケメン2人を差し置いて(利用して)、”俺たちジジイの希望”ユ・ ヘジンが最高に輝いていた。
韓国映画の大作には必ずと言っていいほど三枚目の役で登場する名優(大好き)が、本作品の実質的な主人公。コメディシーンではもともと安定感が半端ないが、このとんでもない長身イケメンの2人に挟まれることで、より一層その魅力を解き放っていた。
もうね、あの長身イケメン2人の間なら、ちっこいジジイが何やっても面白いじゃん。しかも、役割的に「ボケ」かと思えば、「ツッコミ」として周囲のキャラクターをいじり倒すのもいい。
あの見た目で「ちゃんと強い」という設定も意外と新鮮。一騎当千な腕利きイケメンエージェントが大暴れする格闘シーンでも、決して添え物じゃなかった。
健さん、小林旭ときたら、ユ・ ヘジンは川谷拓三あたりと見えがちだが、そうはならずに(子分的にはならずに)、ちゃんとチームのイニシアチブを取れるキャラ設定にできている点が上手いなと思った。
そしてこのユ・ ヘジン、人情シーンもお手の物なので、物語の美味しいところは結局全部持っていく。何てことのないシーンでも泣かせるんだよ、この顔が。
結論。ユ・ ヘジン最高。
ジジイは満足、イケメンを愛でたい女性ファンも絶対満足。対極に位置する客層を両立した、奇跡のような作品だと思う。
主要キャラ3人の話に終始してしまったが、ユ・ ヘジンの家族(特にユナ)もよかったし、敵役のチン・ソンギュもめちゃくちゃ熱かったし、同僚刑事、後輩刑事、3人をワゴンで監視する上司(?)と女性捜査員のコンビといったモブキャラに至るまで魅力的だった。
「誰にでもおススメできる映画」が一つ増えた。
(※一応続編だけど、引き継がれているのは設定だけ。こちらだけでもほぼ問題ない)