ジャンル | コメディ / 冒険 / ファンタジー |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 2023/8/11 |
上映時間 | 114分 |
鑑賞 | アマゾンプライム |
メッセージ性なんか無視しても楽しめる
「バービーってタカラじゃなかったの?」な昭和オジサンです。
目が潰れそうなピンク世界に、最初こそデパートの下着コーナーに迷い込んでしまったような居心地の悪さを感じたものの、意外とすぐに慣れた。むしろ、途中からはそのバツの悪さが逆転して、ノリノリで楽しめた。面白かった。
フェミニズムとか差別社会とか、女らしさ、男らしさとか生き辛さとか、根底に流れるテーマは確かにあるんだろうけど、そんなのどうでもいいじゃない。
シンプルに、あの独自なピンク世界の楽しさ、セリフや演技の面白さ、この世界観にピッタリなポップな音楽、そんな純エンタメの部分だけ抽出しても十分に楽しめた。
マゴロビのバービーがパーフェクトなのは言うまでもないが、個人的にはライアン・ゴズリングのケンの方も(マゴロビと同等かそれ以上に)目を惹かれた。
「バービーの付属品」「バービーの視界に入ってこそ生きる」「バービー、僕を見て」という気弱で一途で健気なマインドから、どんどん調子にノって「男臭さムキムキのムンムンマッチョハウス」にいたるまで(笑)、その変遷の様子がいちいち面白い。
もはや一流ベテラン俳優の域に突入しているライゴズが、精神年齢を10代まで落として熱演している様子に笑った。楽しいを超えて「応援したくなった」。
全体的に「男性社会」「女性社会」の対立を描いているように見えるが(実際そうなんだろうけど)、個人的には言うほど気にならなかったな。
“男女の差”などという人類普遍な難題は「今回はすんません」と、そっと蓋をさせてもらえば、
「帝国軍に反旗を翻した反乱軍。フォースを得た者(ケン)の活躍によって一度は主権を奪いかけるが……」
といった「スター・ウォーズ」的な構造と実は変わらない。
最終的に帝国軍に反撃される展開も含めて、意外とスッキリする結末だった。
何が言いたかったかというと、フェミニズムの問題にあまり明るくない昭和ジジイでも、あまり関係なく十分に楽しめる作品だった。
(注:女性を「帝国軍」、男性を「反乱軍」としたのには他意はない。逆でもいい)