ジャンル | アクション/スリラー |
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製作国 | 韓国 |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 2023/3/31 |
上映時間 | 137分 |
鑑賞 | NETFLIX |
伊坂原作っぽい殺し屋アクション
キャスト欄に名前のなかったファン・ジョンミンのドアップでド頭から驚かされた。まあ結局はよくあるプロローグシーンで、5分後には主人公に殺されるんだけど(要するに”特別出演”)、日ごろから「ファン・ジョンミンにハズレなし」を信じる自分としては期待値がドスンと上がった。スターの使い方が上手いし贅沢!
ネトフリ+韓国+美女スパコロもの(スパイ・殺し屋もの/造語)とくれば、マニアとしては観ないわけにはいかない。……ということで躊躇なく再生した。想像していた「美女スパコロ」とはちょっと違ったが、それが面白かった。
個人的に「美女スパコロ」といえば、特別な訓練を受けた美女が屈強な悪者たちを華麗なアクションでバッタバッタとぶちのめしていく様子に熱くなる。なので、正直ストーリーなど二の次で「アクションシーンさえカッコよければ満点」という認識。しかしこの作品はちょっと違った。
アクションシーンはもちろんカッコいんだけれども、アクションよりも日常シーンに力が入っていた印象。むしろ「殺し屋を職業としたシングルマザーを描いたドラマ」と言った方が近いかもしれない。
個人的に連想したのは、伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ。本作は主人公ボクスンが殺し屋企業の一員として働きながら、難しい年頃の娘についても悩んだりするが、伊坂作品も「職業・殺し屋」の肩書を持つ人々の日常や悲哀などをテーマにして展開することが多い。「原作は伊坂幸太郎」と言われても疑わないほどに、二つの顔に揺れ動く主人公の心情や悩みに寄っていた。
または、もっとわかりやすくは「ベイビーわるきゅーれ」のシングルマザー版?とも言えるかも。同業者同士が仕事についてグチり合っているシーンなんかは、まるでちさと&まひろのダベりシーンを見ているようで楽しかった。
もちろん要所要所で”仕事”シーンはあるので、アクション映画としてもちゃんと一流。こういうところもさすがっす韓国。
あと、主演のチョン・ドヨンはとても50代とは思えないほど若くてキレイだったね。恐るべしっす韓国の美容技術。
主人公ボクスンが「職業・殺し屋の日常」を送っている中で、仕事に関することと、中学生の娘に関することで同時に事件が起きて……という構成。上映時間は「139分」と短くはないけれど、けっこう物語に入り込めたな。1秒も飽きることはなかった。
意外な展開あり、胸糞あり、熱い対決あり、スカッとするラストあり。エンタメの基本はしっかり詰まっていて満足だった。好きな作品。
たとえちょい役だったとしても、「ファン・ジョンミンにハズレなし」伝説はまだまだ継続中。