ジャンル | サスペンス・ミステリー / ファンタジー / スリラー |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2022 |
公開年月日 | 2023/11/17 |
上映時間 | 106分 |
鑑賞 | アマゾンプライム |
チャーリーの涙
突然チャーリーがポロポロっと涙をこぼしながらモナリザに抱きつくあのシーンは、この作品の好き嫌いに関わらず全員泣いたでしょう。あれはズルいよ。
去年の秋公開されていた頃に、近くの劇場では上映されていなかったので断念した作品。アマプラ有料(330円とお安め)で見つけてようやく観た。
観たいと思った決め手は予告編だった。精神病院に12年監禁されていた超能力少女が街へ逃げ出す、という内容。ポップな作品ビジュアルも相まって、中二病オヤジが「これ絶対に面白いやつ」と確信するのには十分だった。実際に再生してみると、期待通りの滑り出しでめちゃくちゃ興奮した。
最初30分までは。
そこまでは主人公のモナリザがかなり危険人物でワクワクしたんだが、徐々に展開が「そうはならんだろ!」「ええっ?そんなことする?」の連続で、登場人物への感情移入が削がれていく。プロットは好みだったけど、シナリオはちょっと大人向けじゃなかったかな、と思った。おとぎ話のキャラのように短絡的すぎて誰にも共感できなかった。
ただ、好意的に見れば「逆にそれがいい味出していた」といえるかもしれない。
展開はおとぎ話っぽいのに、舞台は大人の欲望と暴力が蠢くリアルな夜の世界。そのすべてのシーンで、必ずどこかから照らされるネオンカラーの色彩が幻想的で、非現実的な「そうはならんだろ!」展開が許容できちゃう。というか、合ってる。
なんだか現実と夢の境目を漂っているようなバランスが、個人的にドンズバだった。ビジュアルについては相当なこだわりを持って作られているな、と感じた。
ストーリー展開については最後まで「ん?」というもどかしい場面もあったが、そんな雑音は冒頭で書いた”チャーリーの涙”で全部洗い流された。ほんと名シーン。
好きなところ嫌いなところ、全部ひっくるめて「好きな作品」。