インキーパーズ

「ウェスト監督の過去ホラーを観ておきたい」という大義名分

数日前、A24公式から公開された「Maxxxine」の最新予告を観てテンションが上がって（全米公開7月5日だってよ！）、ついに若きタイ・ウェスト監督の「インキーパーズ」に手が伸びた。

評判はあまり良くないらしく、Filmarksでは評点2.7。実際に最後まで観て、「まあ、たしかにそうなるか」と腑に落ちてしまった。

個人的にも、おそらく鑑賞したほとんどの人にとってもガッカリポイントとなったのは、100分中80分まで「何も起きない」ということだと思う。

廃業直前の古いホテルのバイト2人が、「このホテルなんか出るらしいよ～」なんてずっとダベっているだけ。好奇心で、いわくつきの部屋なんかを探索するんだけど、大袈裟なことは何も起こらない。で、「何か聞こえたけど～」なんてまたダベる。

いやね、この2人のキャラがいいから、不思議と見ていられるんだよ。ただ、「これからホラーを観ますよ～」って再生して（しかもこのジャケ写）ずっとこんな調子だと、さすがに飽きちゃった。3回は休憩入れたね。

ならば、引っ張って引っ張って最後の怒涛の20分で盛り返すのか？と言われればそうでもない。結局、消化不良のまま終わる感じの地味ホラーだった。

ホラーとして全体的に面白くはなかったし、「X」「Pearl」のような映像のトガりもない。おれのように「タイ・ウェストの過去ホラーを観ておきたい」という大義名分でもない限り、観なくていい作品だと思う。

ただしウェスト監督であるということ以外にも、個人的にテンションが上がった要素が「2つ」あったことだけを追記したい。

まずは主人公クレア役のサラ・パクストン。

初めて見る女優さんだったが、ショートカット可愛い！……ということだけじゃなく、「パクストン」でピンときた。個人的に溺愛する名作「ストリート・オブ・ファイヤー」のバーテン役がたしかビル・パクストンだったな。もしや娘か？と調べたら「親戚」だった。ちょっと残念。

そしてもう一つが、老女役のケリー・マクギリス！

「どこかで見たことがあるな」と調べたら、「トップ・ガン」のあの超美人教官だった。ええええ老女なの!?　ほんと「噓でしょ？」ってくらいの変貌ぶりなので、これは一見の価値あり。

以上！