ジャンル | ホラー / バイオレンス |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2022 |
公開年月日 | 2022/7/8 |
上映時間 | 105分 |
鑑賞 | アマゾンプライム |
「Pearl」の後鑑賞の方が深みが増す
ジェナ・オルテガちゃんの”ベストオブ絶叫顔”受賞作!
昨夜いつものようにアマプラを探っていたら、6月末で配信終了とあったので慌てて再生した。2年前の劇場鑑賞と、去年の続編「Pearl」公開直前の復習鑑賞以来、1年ぶり3度目。
現在ではすっかり”ミア・ゴス信者”となっているが、公開当時は「マローボーン家の掟」と「EMMA」で”地味な端役”的な印象しかなくて、「あんな地味娘がA24ホラーの主役か。出世したな」ほどにしか思っていなかった。
だから、とんでもないアバズレ役でブッたまげた。
開始早々いきなり”コカイン鼻からグーッ!”からの”ケバ青アイシャドウ”、”全裸でワニ池泳ぎ”からの”ポルノ映画で過激絡みシーン”。
ことあるごとに「私は特別。もっと高級な暮らしができる。世界的になりたい」と、無品性な野心への鼻息の荒さが半端ない。
完全に、これまでのイメージ(地味で可愛らしい女の子/主人公の引き立て役)を、真逆の色で分厚く上塗りしてきた。このミア・ゴス演じるマキシーンが、誤解を恐れずに言うと、映画的にめちゃくちゃソソられるキャラクターだった。
(それまでの「地味娘」というイメージも心のどこかにあって、そのギャップも大きく手伝っていると思う)
そういう意味で、我が女神様(女王様かな 笑)との出会いの作品として、個人的に聖書的な作品。
内容的には、(今思うと)A24らしくない比較的どストレートな本格スラッシャーホラー。1970年代を舞台にしているということで、「悪魔のいけにえ」あたりの雰囲気を大きく意識したロケーションとザラめの映像がエモい。
単体として「老いることの恐怖」とか「若さの加害性」などのサブテーマが根底に流れているんだけど、前日譚となる「Pearl」を見た後だとそれがさらに明確に伝わってくる。
初見時は「ババア怖ええ~」などと笑いながら観ていたのが、今回は余裕ができたのか、少しだけパール&ハワード側の目線に立ってみると切なくなった。
特に、ポルノ撮影を目撃してテンションが上がったパール婆さんが、化粧してお気に入りのワンピースを着て夫に迫るシーンは切なかったな。ハワードは困惑して「言っただろう。心臓が悪いから無理なんだ」と拒否してしまう。
ショックでその場に立ちつくすパールも、愛する妻の望みを叶えてあげられないハワードの気持ちも、これまでは「おぞましい」としか思わなかった場面が、すごく悲しいシーンに見えた。
これはすでに「Pearl」を観て、若かりしパールの天真爛漫で夢に胸を膨らませていた姿を知っているからこその変化だろうと思う。
シリーズものの「観る順番」の話で、よく「結局、公開順が一番!」という説を聞くが、この「X」「Pearl」に関しては、もしかしたら「Pearl」→「X」の方が「X」の深みが増すのかな、と感じた。
7月1日からアマプラで「Pearl」が見放題配信される。こちらも既に2度観ているが、3度目に観たらどう変わるのかが楽しみ。