遺書(ブログ)

バレー・オブ・バイオレンス

更新日:

ジャンル アクション / バイオレンス
製作国 アメリカ
製作年 2016
公開年月日 未公開
上映時間 104分
製作会社 アマゾンプライム

「舐めてた相手が殺人マシーンだった」系ウエスタン

タイッサ・ファーミガちゃんが、父親ほどのイーサン(同い年)にそこまでメロメロになっちゃう?
……と、違和感と羨ましさと夢と希望を同時に感じてしまった。

そんな特殊なスパイスにも刺激を受けつつ、この比較的ド直球な西部劇を素直に楽しめた。面白かった。

開始早々、イーサン・ホークの渋~いひとこと。「狙う相手に気をつけろ」がすべてと言っても過言じゃない。西部開拓時代の小さな町。保安官の息子でガキ大将みたいな男が、ある日たまたま流れ着いた元騎兵隊(主人公)を怒らせてしまい、手痛い復讐を受ける――という話だった。

いわゆる「舐めてた相手が殺人マシーンだった」系。この手のジャンルのお約束通り、ラストバトルが「敵目線」となるのがいい。これ大好き。

背後から首を掻き切られる最初の犠牲者。
これを見て「お前ら何て奴を怒らせちまったんだ!」と怒り狂う保安官。
パニックになるモブ敵たち。
怯えながら血眼で主人公を探すモブ敵たち。
しかし見つからずに一人、また一人と仲間が死んでいく。

さっきまでは主人公目線で「こいつら全員ムカつく死ね!」と憤っていたはずなのに、このシーンでは、なぜかそっち目線でハラハラドキドキしている。よくある演出ではあるけれど、楽しいよね。

トラボルタ保安官だけは「こいつには関わってはいけない」と見抜いていたという設定も効いてた。

登場シーンから重厚な存在感で、やたら威圧的に主人公を恫喝する。「ははん、こいつがラスボスだな」と直感させられたが、実はそんなに強くはない。保安官として、単に”危険な奴”をさっさと町から追い払いたかったわけね。で、ああなってしまったからには、最後は保安官らしく(父親らしく)、必死で命乞いをしながら争いを止めようとする姿は、滑稽だけどカッコよかった。

これでタイ・ウェストの監督作品(単独/長編)はコンプリートで、既にアメリカ本国では絶賛公開中の「MaXXXine」待ちリーチ。日本公開早くこい。

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