ジャンル | コメディ / 伝記 / 音楽 |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2022 |
公開年月日 | 日本未公開 |
上映時間 | 108分 |
鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
「実在の人物とは一切関係ありません」
なるほど、「ボヘミアン・ラプソディ」のヒット以来、エルトン、エルビス、最近ではボブ・マーリーと、伝説のミュージシャンの伝記映画が流行ってるもんな。
“80年代少年”だった自分としては、80年代を舞台にするのに敢えての「アル・ヤンコビック」にスポットを当てたのは大拍手。アマプラサーフィンしていて「見つけた!」と小躍りした。
主人公アル役を演じるダニエル・ラドクリフも、最近は奇妙なキモ作品ばかり出演してるので、ここらで実在の人物を元にしたリアルな演技で本格派宣言か? と注目して500円課金して再生した。
やっぱり奇妙なキモ作品だった。
なんだよ。ほぼ全編ホラ話じゃないかよ。「どこからどこまでが本当かわからない」以前の問題。ラジオに音源を投稿した瞬間から大金持ち、マイケル・ジャクソンに「EAT IT」をパクられる、挙句に当時トップアイドルだったマドンナと恋仲に? おいアル、お前ずっとラリってるのか? つーかマドンナはこれ本当にOK出してるのか?
アル・ヤンコビックという”替え歌スター”のサクセスストーリーかと思いきや、世界の麻薬王(実名)まで巻き込んで最終的に想像もつかない方向まで話はぶっ飛んでいく。おい!エスコバル一家はOK出してるのか? 出してるわけないか。
割と本気でアル・ヤンコビックの謎の半生に興味があったんだけどなあ。小躍りを返せ。
要するにあれだ。この作品を楽しむには、観客は結構序盤から頭を切り替えておく必要がある。
これは伝記映画じゃない。80年代の有名人っぽいキャラを使っただけの80年代コントだ。主役が「アル・ヤンコビック」という変人ってだけ。「実在の人物とは一切関係ありません」。
そう上手に頭を切り替えられれば、何のことはない。いつもの”ラドクリフ映画”だ。いつものように、何かの魔法から逃れるように過剰に振り切ったダニエルのキモ演技を楽しめばいい。
作品として特筆して面白くはなかったけど、近年の”ラドクリフ映画”ってそういうもんでしょ。
悪夢みたいな奇妙な世界観、
コンプラギリギリのギャグ、
「脚本家はラリってるのか?」と疑うような謎設定と謎展開、
ダニエルの絶妙にキモい胸毛、
それら全てに身を委ねて、何とか最後まで観て、観終わったときに「ああ、すげえ変な映画だったな」と振り返る。
ともかく「ダニエル・ラドクリフはいまだにハリー・ポッターと戦ってるんだな」と応援したくなる作品だった。すげえ変な映画だったな。