ジャンル | ホラー |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 未公開 |
上映時間 | 96分 |
鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
これが新しい『はらわた』だ!
「死霊のはらわた」シリーズは、1981年のオリジナルと2013年のリブート版しか観ていない。それでもわかる。本作はかなり「ライジング」だった。
「ホラーの古典だベタだと馬鹿にするな。これが新しい『はらわた』だ!」
そんな製作者の声が高らかに聴こえてきそうだった。これまでの(いい意味で)”ホラーの教科書”的立ち位置から、大きく突き抜けた作品だと感じた。けっこう斬新だったよね。
とはいえ、シリーズの伝統はしっかり継承している。
謎の地下室、
死者の書、
決して唱えてはいけない呪文、
人体損壊・夥しい血量・ゲロ、
そしてチェーンソー。
今回はこれに「密室」「家族(母親)」「子供と妊婦」という、さらなる絶望要素が追加された。怖かったなあ。
あのね、自分は悪い意味でホラー慣れしちゃってる方なんだけど、登場人物が成人だったり、インモラルなパリピ高校生なら全然オッケーなんだよ。ただしここに子供、しかも10歳にも満たないような小児がいると途端に臆病になっちゃう現象、あれ何だろう。同じく妊婦もそう。おれだけかな。ハラハラドキドキが正確に5倍くらいは膨れ上がる。
久しぶりだよ。ホラーで手に汗握ったの。
映画だってわかっているのに、本気で
「この子だけは絶対に傷つけないでくれ!」
「いや、お腹だけは衝撃を与えないでくれ!」
って祈っちゃったもん。
どうだ製作者、目論見どおりか。
グロ描写やスプラッター描写もかなり力が入っていた。
頭の皮はぎ、目玉食い、ガラス食い、虫吐き、棒突き刺し、そして血の海エレベーター。キモい。キモいし痛い。総じて気分が悪いので、そんなシーンのたびに登場人物と一緒にウヒャッと声が出ちゃう。「こんなキモいことばかり考えている人間が存在するのか」と感心する。というか引く。
とこんな感じで、全編にわたってこれでもかとキショ&キモシーンのオンパレードなんだが、それだけに、ラストでそんな憎っくき悪霊に鉄槌を下すシーンで熱くなったな。
久しぶりだよ。ホラーで「よっしゃ! やれやれー!」と拳を上げたの。
やっぱり「はらわた」シリーズにおけるチェーンソーの無敵感・安心感は異常だね。
“ホラーの教科書”としての伝統はある程度守りつつ、オカルトあり、ゾンビあり、スプラッターあり、クリーチャーありの”全部乗せホラー”に生まれ変わった「はらわた」。
ぜひとも今回の主人公ベスを死霊ハンターとして続編を作ってほしい。絶対に観たい。お願い。