ジャンル | アクション / 戦争 / スリラー |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 2024/10/4 |
上映時間 | 109分 |
鑑賞 | 109シネマズ川崎 |
「戦場真っただ中」体験
割と正確に五分五分な「A24ガチャ」だけど、今回は大当たり。できれば劇場公開中にもう一回観たいやつ。
サブタイトルの「アメリカ最後の日」だとか、「分断!」だとか「19の州が合衆国を離脱!」だとかの煽りで、「アメリカの社会的背景をある程度理解していないと楽しめないかも」と案じたが、まったくそんなことはなかった。そんなものは一切知らなくていい。
パンフを見ると、細かい設定はびっしり用意されているようだけど、本編を楽しむ上であまり重要じゃない。「アメリカが大規模な内戦状態で、いたるところで戦闘が勃発している」程度の認識でいい。
主人公は取材のために首都を目指す「戦場ジャーナリスト」4人チームで、彼らが道すがら遭遇するいくつかの戦闘場面を、観客も一緒に「体感」していくという構成。戦場一つ一つの緊迫感と迫力がハンパじゃなかった。
主人公たちは、文字通り「ジャーナリズムに命を懸ける」命知らずチームで、ドンパチの最前線にもカメラを構えて飛び込んでシャッターを切り続ける。
視界外から降り注ぐライフルやマシンガンの雨。目の前で血を吹き出しながら命を落とす兵士。死と隣り合わせの緊迫感と死への恐怖。
普段見ているトム・クルーズやステイサムの無敵アクション映画とはワケが違う。銃弾一発一発がとてつもなく重い。痛い。死ぬ。
何より、耳をつんざくような音が凄い。すぐ横を通り抜けるような銃撃音、爆音。本当にそこにいるような感覚に陥った。怖い。
劇場はまさしく「戦場真っただ中」だったね。
ストーリー的には、実質主人公の23歳の新米カメラマン・ジェシー(ケイリー・スピーニー)の成長ものとして熱かった。
伝説の戦場カメラマン・リー(キルステン・ダンスト)への憧れだけで加わり、最初は戦場の現実を目の当たりにしてメソメソしてただけの”女の子”だったのが、いくつかの死線をくぐり抜けて大覚醒する。ラストの戦場での、命を顧みないスクープ写真の連発シーン演出は痺れた。
実はたまたま同じ日に名画座で「プリシラ」を観てきたんだけど、個人的にはそのせいで、ただ可愛いだけだったケイリー・スピーニーちゃんの変貌ぶりにクラクラしてしまった。「おお、あの”おチビちゃん”がこんなにたくましくなって……」なんて筋違いな感動もあった。お得。(?)
「エイリアン:ロムルス」(未鑑賞)も主演だったようで、ガンガン今キテる女優さんなんだね。名前覚えとこう。
よく「劇場で観るべき映画!」なんて、いい加減で陳腐な表現を聞くけれど(おれもたまに使っちゃう)、この作品だけは確信を持って言える。
「劇場」ってだけでなく、できればIMAXで「体験」すべき映画だった。