ジャンル | サスペンス・ミステリー |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2024 |
公開年月日 | 2024/5/31 |
上映時間 | 74分 |
鑑賞 | NETFLIX |
リアリティのない怒りと泥仕合
雪山で遭難して死を覚悟したジヨンが、どうせ死ぬからと「俺は人を殺した」と相棒の浅井に”告白”。しかし、奇跡的に暖をとれそうな山荘が見つかり命が助かってしまった。さて「聞いてしまった」浅井(生田斗真)と、「言ってしまった」ジヨン(ヤン・イクチュン)。これからどうなる?
めちゃくちゃ面白そうな設定! 74分と尺は短いし、この2人がどうなるのかに興味があったので、ワクワクしながら再生した。
74分とは思えないほど長かった。
いやあ、そうなるとは思ったけど、結局そうにしかならんのか。……という感想。本当に「絶対に言わないから!」「いや、お前言うだろ!」の殺し合い。この鬼ごっこがとにかくしつこい。長い。
いや、本気で殺る気ならいつでも殺れるだろう。殺られたくないと本気で思うなら、なんかこう、その、いろいろできるだろう。武器は片方しか持っていないんだから、組み合えば一発で決着つくんじゃないのか。
なのに、なぜ! あんな! 泥仕合になる……!
そもそもなんだ。勝手に告白しておいて「聞いたな?」なんて、ジヨンは何でそこまで怒り狂えるんだ。
いや、2人は長い付き合いで、「聞いた聞かない」だけじゃない負の蓄積があったのはわかるよ。浅井の方にも重大な秘密があったことも終盤に聞いた。ありゃ確かにヒドい。浅井もクズだ。よーくわかった。
「それにしても!」だよ。
それにしても、なぜそんなクズに対して、そこまで激しい怒りを向けられる? こいつを殺して何になる。教えてほしい。「ただ恨みを晴らしたかった」とか、ジヨンが異常な人間だったとか、サイコ理論に逃げるなよ?
ちょっと理不尽が過ぎて、1ミリたりとも共感に届かなかった。ラストのあの意外な”ひと展開”も、もはや尺稼ぎにしか思えない。
(監督)「撮れ高がなんとか70分超えたね。これなら短めの映画1本分には届いたかな?」
いや長いよ!
……おっと、珍しく興奮してしまった。
おれこそ、なんでこんな作品に、ここまで激しい怒りを向けられたんだろうか。
主演2人は迫真の演技だった。作品は楽しくなかった。