ジャンル | サスペンス・ミステリー / ドラマ |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2024 |
公開年月日 | 2024/10/11 |
上映時間 | 138分 |
鑑賞 | チネチッタ川崎 |
何かがおかしい
エンドロールが流れてきた瞬間、暗闇から「なんやねん」と男性の声が聞こえてきた。おれも声には出さなかったが「へ?」となった。
わかるよ、その気持ち。そして全般的に評価が振るわない理由も割と明確に理解できた。
ミュージカルシーンが多かったというのも多分にあるが、お話がまあちっとも進まない。ズバリこれでしょう。おれはそう。
だって、前作「ジョーカー」で”ジョーカー爆誕”したんだから、その続編では、ジョーカーが悪のカリスマへ昇りつめていく”ライジング”展開になると思うじゃん。そうでもなかった?
いや、実はどうやら「そうではないらしい」ことは事前に聞きかじってはいたけれど、「いくらなんでもそこまで違う?」とブッたまげた。
賛否があるようだけど(あるの?本当に?)、個人の感想としては、大きく「斜め下」をいかれた感じ。期待していたような展開ではなかったのはいいとして、かといってテンションが上がるような斬新なストーリーでもなかった。おまけに舞台が限られていて画変わりがしなかったので、全体的に地味だった。単体としても好みではない。
しかしなあ。前作の疾走するかのようなあの流れから、続編のこの牛歩展開は、何だか不自然さを感じた。良い悪いは別として、何かおかしい。「別の事情があるのでは?」の類の。
あれかな。前作「ジョーカー」が社会現象になったことで、ジョーカー化するフリークたちに「お前らちょっと待て」と釘を刺したかったんだろうか。そんな勘繰りまで頭をよぎる。正直コンプラの影が見え隠れした。(※個人的感想)
これがデカい雑音だったなあ。
ただ、賛否要素のひとつでもある「ミュージカル」については、個人的にはめちゃくちゃ良かったよ。
主にアーサー(ホアキン)とリー(レディー・ガガ)が、その場面場面の心情に合わせて歌声を披露してくれるんだが、曲がすべて良い! 歌への入りも工夫されているので、ミュージカル特有のあの違和感は意外とない。そして何より、ガガ様の歌声の美しいこと! 決して大袈裟ではなく、体中に鳥肌が立つほど痺れた。
あの歌声を劇場の音響で聴けただけでも元は取れたよね。スクリーンとはいえ、ガガ様の生歌コンサートに1500円(レイトショー価格)はお得すぎるでしょう。
そんなわけで、ストーリーは肩透かし、ホアキンとガガの歌声と演技は抜群。これこそ賛否がありそうなラストの衝撃も含めて、清濁併せ持った「ふつう」という感じ。
ガガ様の「ハーレイ・クイン」メイクは最高だった。
あとパンフは良かった。