ジャンル | SF/アニメ/ロボットアニメ |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2024 |
配信年月日 | 2024/10/17 |
エピソード数 | 6話(合計142分) |
鑑賞 | NETFLIX |
構造的には伝統的スプラッターホラー
世代なりにガンダムファンなので、ネトフリのこの配信は楽しみにしていた。「ガンダムオタク」と名乗るには恥ずかしいレベルだが、「1年戦争中の話? ってことは宇宙世紀0079年か」よりも一層奥にツッコんだ「0079年11月のヨーロッパ? ってことはオデッサ作戦中かな?」くらいにはオタク。
なかなか面白かった。23~24分の全6話ってことで、合計しても2時間22分。ちょい長めの映画程度なので、あっという間に一気見した。
誰もが結果を知っている地球連邦軍とジオン軍の戦争「一年戦争」。この約2ヶ月後に敗戦国となるジオン軍側の、ある兵士の視点で描かれた物語になっていた。「物語」といっても、これまで語りつくされてきた”正史”に影響を及ぼすような大それた改変はないので、古いガンオタおじさんでも安心して観ていられた。不自然な”最強萌え美少女士官”が出てこないのも安心ポイント。
とにかく、「ガンダム」の描かれ方がショッキングだったよね。あの無敵のヒーローは、ジオン(=敵)側から見るとこんなに「恐ろしくて不気味で悪魔のような絶望的存在」だったということがよくわかる。この演出には、きっと相当こだわっていたよね。
なんだろ。人間が操縦している機械とは思えないんだよ。気持ちなど一切通じない「猛獣」?……というよりは「怪獣」? 違うな、「怪獣」よりももっと冷酷。恐怖の対象としてのジャンルはあれに近い。
神出鬼没で、仲間や同僚たちを目が合った順番に片っ端から殺していく。束になって立ち向かおうとも、力ではまったく敵わない。銃で撃っても死なない。一度倒れて不気味に立ち上がる。再びのっそりと近づいてきて、手に持った武器(ビームサーベル)で無残に切り刻まれる。
本来ならば、アニメなんだから「この怪物をいかに倒すか」という熱血展開にいきがちなんだけど、一かけらもそんな気分にはなれないほどの圧倒的絶望感。ジェイソンのように、ただ逃げるしかない。
構造的には伝統的スプラッターホラーだった。これが面白かった!
現代の最先端CGで描かれる宇宙世紀は、実写かと見まがうほどリアルで、これまでアニメでしか見てこなかった世界観を圧倒的な解像度で体感できた。一瞬しか出てこなかったけど、スペースコロニー内の美しい風景は感動したなあ。
まだまだ「不気味の谷」にすら届かない”人物のマネキン感”には目をつぶっても、ガンダムに触れたことのある世代なら「宇宙世紀を体感」目的で観ておくべき作品だと思った。
十分に元は取れたからネトフリ解約する。