ジャンル | ホラー |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2011 |
公開年月日 | 日本未公開 |
上映時間 | 88分 |
鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
コンプラか! コンプラホステルか!
イーライ信者であることを差し引いても「ホステル」1と2は割と好き。あれは「いいホラー」だと思う。
これに「3」なるものがあるならば、Filmarks評価が2.8だろうが脳内で喧しい地雷警報が鳴ろうが、耳を貸さずに飛び込む。毒を食らわば皿まで。100円課金。予定通り爆死した。
いやあ、さすがは「ホステル」シリーズに終止符を打った作品。
どうした。「原案」という役職のイーライ先生は1分も観なかったのか。人気作と比較するのはフェアじゃないが、大事なことなので先に言う。これは「ホステル」1と2で鑑賞者に衝撃とトラウマを残したグロゴアホラーじゃない。「スプラッター」と呼ぶにはマイルドで健全(セクシーはあるけどエロはない)。
B級、いやCきゅ……Z級アクション映画だ。
あのギトギトでグチョグチョだった1,2からアクを抜いて、かといって雑味が抜けてスマートに仕上がったわけではなく、ただのチープな脱出アクション映画(ただしZ級)に成り下がった。
あれだけの拷問器具を用意して、なんだよボーガンって。しかも刺さる瞬間はカメラがパンして映さない。ナイフで腹を刺すシーンさえ背中からの視点。イーライなら斧で頭かち割って脳みそバーンだろ。なんだ配慮か。コンプラか! コンプラホステルか!
おっと、興奮してしまった。
わかるよ。きっと大人の事情があったんだろう。当時の偉い人が企画会議で話す声が聞こえる。
「……じゃ、設定はいつもの感じで。ただR指定とかつけたくないから、くれぐれもマイルドにね。人体切断? 内臓? ああんダメダメ! 何言ってるの。過度な血しぶきも禁止! 以上! ハイ仕事仕事!」
(監督)「は、はい……」
監督に同情する。
そもそも「ヤバイ集団に囚われて、逃げる」、それだけのシナリオに、「ホステル」シリーズ最大のアイデンティティであるゴア描写を奪われた。そりゃ、ああなっちゃうよね。最後「ボカーン!」ってすべてを爆破したくなる気持ちが痛いほど伝わってきた。
まあ、ただ、あそこはよかったよ。
最初の「まずはコイツがさらわれるのか」からの「お前が悪者かーい!」ってシークエンス。「なかなか面白そう」ってなった。何もかもを知っている「ホステル」ファンの観客の逆手を取ったプチサプライズ。お見事でした。
残りの80分は無駄な時間だった。