| ジャンル | コメディ / サスペンス・ミステリー / スリラー / ドラマ |
|---|---|
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2024 |
| 公開年月日 | 2025/7/11 |
| 上映時間 | 112分 |
| 鑑賞 | 109シネマズ川崎 |
いや、ただの「病気を治した男」だ
これは嫌いだったな。
だいたい50%の確率のA24ガチャの、個人的に「ハズレ」の部類。「スクリーンに見えている映像から、自分で何かを見出して学んでくれ」系は苦手なんだよ。
オッサンのくせに中学生脳でごめんなさい。
いわゆる「ルッキズム」に関するあれこれを、極端なシチュエーションと極端な展開で浮き彫りにして、「みなさん、これどう思います?」と投げかける。ラストで答えみたいなものは提示される(のかな?)んだけど、正直まったくピンとこなかった。
奇形の顔から治療してウインター・ソルジャーのようなイケメンに生まれ変わった主人公エドワード(セバスチャン・スタン)と、一方で、奇形のままでも前向きで、幸せに生きるオズワルドの対比劇。物語は、イケメンになってガラッと変わった世界に浮かれまくるエドワードの転落と、おぞましい顔をしていても、持ち前の明るさと内面の魅力でどんどん幸せを掴んでいくオズワルド(アダム・ピアソン)の様子が描かれる。
平板に解釈すれば、「ほら、見た目が良いことは、必ずしも幸せなことじゃない」「個性を捨てずに受け入れることも選択肢の一つだよ」ということなんだろうけど(意味は分かる)、これが、この物語ではどうしても腑に落ちなかった。
「いや、そうかあ?」と。
そりゃ、いるんだろうよ。劇中のオズワルドのように、奇形であることを”個性”として受け入れ、むしろそれを武器にして前向きに生きられる人が。いるんだろうけど、こんなに強い超スーパー陽キャ、世界中にどれだけいるんだ? 何万人に一人か?
ほとんどの人は、主人公エドワードのように容姿をコンプレックスに思い、「治したい」と考えるはず。世間は「見た目なんて関係ないよ」とか「ルッキズムはクソだよね」と口では言うけれど、実際の視線は全くそうでないことをエドワードはよーく知っている。自分の顔にできたボコボコの腫瘍を取り除いて、「普通の顔で生きられたら」と切望するのは当然の感覚だ。
で、最新治療で奇跡的に「普通の顔」(※イケメン)になれた。そんなの浮かれるに決まってる。そもそも、エドワード(とオズワルド)の顔の奇形は「病気」だ。病気を治して何が悪い。そうだ。
エドワードは「顔を捨てた男」なんかじゃない。
ただの「病気を治した男」じゃないか。
主人公エドワードは、何も悪くないのに、顔を捨てた(=病気を治した)ことをきっかけに不幸のどん底に突き落とされる、という展開にかなり無理矢理感。
いや普通こんなことになる?
普通だったら、それこそ、これまでの辛すぎた人生を捨てて、普通に普通の顔の新たな人生を謳歌するでしょう。違う?
あの境遇であれだけの超スーパー陽キャとして育ったオズワルドの存在も奇跡的だが、せっかくイケメンになれたのに、オズワルドにムキになって転落するエドワードも奇跡的な阿呆に見えてしまった。まったくもって想像しづらい。
エドワードが異様にこだわった、これまた超スーパー変人彼女イングリッドも含め、世界的にあり得ないような人物像を無理やり衝突させて、伝えたいテーマを表現するためだけに無理やり紡がれた、現実味のない童話みたいな話に見えてしまった。
まあ、ある意味A24らしいと言えばらしい。評価もまあまあ高いようだし(Filmarks評点★3.8)、ちゃんと大人な考えを持つ人なら刺さるんでしょう。おれが悪い。
中学生脳なので読みが足りないのは重々承知なんだけど、なんかね、登場人物誰にも共感できない(個人的には)退屈な作品だったな。
ところで、本作のヒロインのイングリッドについて。鑑賞中、「絶対にどこかで見たことがある!」とずっと気になっていたので終映後に即スマホで調べたら、「わたしは最悪。」の主人公(レナーテ・レインスヴェ)だった。
どうりで変人なわけだ。
#顔を捨てた男 #A24 #A Different Man #アーロン・シンバーグ #セバスチャン・スタン #レナーテ・レインスヴェ #アダム・ピアソン 👇 気まぐれでいいので全部押して💕
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