| ジャンル | ホラー / スリラー / ドラマ |
|---|---|
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2025 |
| 公開年月日 | 2025/9/19 |
| 上映時間 | 98分 |
| 鑑賞 | 109シネマズ川崎 |
今回も好きだよ、オズ。
今週は個人的に観たい映画がこぞって封切りするが、脳内会議のすえ、トップはこれに決めた。対抗は「ザ・ザ・コルダ」だったけど、個人的には”ウェス“より”オズ“が優先。どうせスカヨハはちょい役なんでしょう?
面白かった。
前作「ロング・レッグス」でも感じたけど、オズグッド・パーキンス監督は好みが合うね。今回も好きだよ、オズ。
ひたすら真面目にホラーに取り組んだ「ロングレッグス」と比較すると、「THE MONKEY」は決して”真面目”とは言い難い。言いたくないけど、あえて言ってしまえば、確実に「コメディホラー」に分類される。だって、明らかに観客を笑わせにかかってるから。
ブラムハウスの「ハッピー・デス・デイ」とか「スイッチ」とか、ネトフリの「ザ・ベビーシッター」とか、アマプラの「ハロウィン・キラー」とか。いわゆる「ホラーコメディ」と呼ばれるジャンルはもともと大好物なんだけど、本作はこの枠に入れちゃうと少しだけ異質に感じる。
上で挙げた作品群はあからさまに「コメディですよ」「このシーン笑えるでしょう?」という空気で、俳優も極端にトボけた演技をするけど、「THE MONKEY」においては俳優たちはあくまで徹底してシリアス。このバランスがツボだった。伝わるかな。
うまく言える気がしないけど、「ホラーを題材にした、実体はコメディ」(=ホラーコメディ)なのではなく、「一応ホラーなんだけど笑えちゃう」(=コメディホラー)感覚。よくわからない?
例えるなら「ツッコミのない漫才」。
明らかに変なこと(面白いこと)が起きているのに、登場人物は常に真顔でスルーする。こう言うと、「そんなのならいくらでもあるでしょう」と思うかもしれないけど、微妙に違うんだよな。さらにもう少しだけ”真顔”に寄せている感じ。余計わからないか。
ま、とにかくだ、この絶妙なバランス(説明放棄)が唯一無二な真顔コメディ・ホラーだった。
今思い出したけど、イーライ・ロス監督にちょっと作風が似てるかな(特に「サンクスギビング」)。それなら伝わる? そんな感じ。
イーライは今やすっかり偉くなっちゃって、最近ホラーを作ってくれないけど、オズ監督が引き継いでくれるなら本当にありがたいことです。
さて、
「面白かった」に話を戻す。
ジャケにもあるサルのおもちゃが太鼓を叩くと、誰かが無惨な死に方をする。このサルのおもちゃに、人生を丸ごと翻弄された双子の兄弟が主人公。
設定はこのサル一辺倒なので、ストーリーはないも同然。見どころはとにかく「人の死に方大喜利」だった。
最初はシンプル(?)に巨大な料理包丁で首がゴトン(鉄板に落ちてジュー)。馬の大群に踏まれてミンチ(イチゴパイの材料)。電流プールで大爆死(感電死ではなく)。スズメバチの大群による人体破壊(ハチに刺されてではなく)。それだけじゃない。あれやこれや、全部見たこともない死に方のオンパレード。
まったく、オズグッドのメモ帳は一体どうなってるんだよ。
こんなトンデモ異常事態なのに、まるで普通のサスペンスの登場人物のように、真面目に逃げたり立ち向かったりするの。これがツボでずっとニヤニヤしていた。どう、ようやく伝わってきた?
ピンポイントにおれの心を鷲掴んだオズグッド監督のホラーセンスと、オズグッドにやりたい放題させてくれた”ホラーの巨人”ジェームズ・ワンに感謝したい。ちょっと大げさに言えば、ハリウッドホラーに希望の光を感じるような作品だった。楽しかった。
次回作もこんなテイストでよろしく!
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