| ジャンル | ホラー / サスペンス・ミステリー |
|---|---|
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 1931 |
| 公開年月日 | 1932年4月26日 |
| 上映時間 | 70分 |
| 鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
ギレルモ版の直前予習
(一部分ではない)最初から最後まで鑑賞した映画の中で、最も古い作品になったかもしれない。「1931年公開」……ええ? 94年前。つくづく、サブスク時代ってすごいなあ。
なぜこんな古い映画を観てみようという気になったのかというと、その意図の先には、おれが現在スマホの待ち受けにしているほど好きな女優ミア・ゴスがいる。おっさんキモい? うるさい。
ミア・ゴスといえば、11月にギレルモ・デル・トロ監督でネトフリ公開される「フランケンシュタイン」が控えているが、この作品が今月中に自分のテリトリー内の劇場で先行上映されるというから、少しでも「予習」をしておこうと思った次第である。
どう? フランケンシュタインのオリジナルストーリーって知ってた? おれはまったく知らなかった。
知っているのは「フランケンシュタイン」が実は怪物の名前ではなく、彼を生み出した博士の名前だということと、怪物の正体が複数の死体の繋ぎ合わせであることくらい。つまり「設定」の部分しか知らない。
彼がどのように生まれ、周囲にどんなパニックやどんなドラマをもたらしたのか。そしてどんな最期を遂げたのか(もしくは遂げなかったのか)。そして(これ重要)ミア・ゴスはどの役を演じるのか。
基礎中の基礎として、最新作を観る前にある程度の土台は築いておこうと思った。きっとネタバレ云々はまったく問題にならない”古典”なんだから、できるなら絶対そうしておいたほうが楽しめるよね。
ということで躊躇なく観た。
意外とイケた。正直ナメてたんだろうね。「100年前の人、大丈夫。おれはリテラシー高いから意味だけわかればいいよ」という、なぜか超”上から目線“だった。
ロケーションもセットも小道具も想像の10倍よくできていたし、画像も驚くほどくっきりキレイだった(これリマスターとかじゃないんだよね?)。
何より俳優の演技がよかった。
1931年といえば、まだ映像と音声が同期した「トーキー映画」が生まれて間もない頃。あまり根拠はないんだけど、この黎明期にここまでトーキー用の演技が成熟しているとは思わなかった(まだ謎の上から目線)。
特に怪物役がよかったね。あんなキャラクターなのに、怒り、寂しさ、悲しみ、ちょっとした優しさまで、全部読み取れた。
当時は、これは「恐怖映画」だからさ、きっと観客をただひたすら怖がらせていれば良かったと思うんだよ。それなのに、「怪物の優しさ」とか要る?
怪物が、初めて出会った自分を怖がらない女の子と、池の畔で無邪気に遊ぶシーンがやけによかった。その後の展開を思うと切なかった。
その後、ラストにつながるクライマックスのアクションシーンは、さすがにまあ”お察し”という感じではあったけれど、それは「100年」という歴史的価値に免じて。でも、放火された風車小屋の炎の中で怪物が焼かれるシーンなんかは、当時としては最先端技術の結晶だったんじゃないかな……なんて目を細めたりもした。(最後まで謎の上から目線)
図らずも、映画史に残る歴史的古典を堪能できた。「オリジナルストーリーをある程度掴んでおく」という大義も達成できたし、ミア・ゴスが演じるキャラクターも把握した。
最新作が先行劇場公開される10月24日が楽しみ。
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