| ジャンル | 伝記 / ドラマ |
|---|---|
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2025 |
| 公開年月日 | 2025/11/14(11/11試写会) |
| 上映時間 | 120分 |
| 鑑賞 | 109プレミアムシネマ新宿 |
テスト範囲のヤマカンが外れた感覚
Filmarksの試写会で5月の「MaXXXine」に続き2度目の当選。
まずはおれにはこれを伝える義務がある。
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ただ、この1年半で10回くらい応募した経験から感じた印象としては、前回当選した「MaXXXine」の際も今回の「スプリングスティーン」の際も共通して、「応募動機」欄でだいぶ熱く語っちゃった気がする。運営も機械的にガラポン抽選しているわけではなく、ちゃんと”魂”で選んでいるのかもな……と肌で感じました。
以上、都市伝説。
さて「スプリングスティーン」。
個人的にはズバリど真ん中の”ボーンインザ世代”なので、劇場までの行きの電車ではスプリングスティーンのアルバムを聴きながら魂をガチガチに固めて準備した。お陰で劇場に着く頃には全身ダンシンインザダーク状態に燃えさかった。しかし観終わった後、その炎はすっかり鎮火されていた。なぜか。
ストーリーが、おれのよく知る「ボーン・イン・ザ・USA」(1984)の時代まで届かなかったから。
なんだ。田舎の若者がスターダムにのし上がり、栄光を掴み取るまでを描くサクセスストーリーだと思い込んでいた。事前情報を必要以上にシャットアウトして臨んでしまったおれが悪い。
主人公ブルースはデフォルトからそこそこスターであり、アルバム「ボーン・イン・ザ・USA」で世界的なトップスターになる”ひとつ前の”段階、伸び悩んでいた32歳から彼自身の大きな転機となったアルバム「ネブラスカ」の製作まで、という結構ピンポイントな時期を描くストーリーだった。
したがって、劇場までの道のりで熱い想いで聴いていたアルバム「ボーン・イン・ザ・USA」の曲はほぼ出てこない。観客サービス的に差し込まれた「ボーン・イン・ザ・USA」と「アイム・オン・ファイア」、あと「ボビー・ジーン」が流れたかな? 流れてないかな?うろ覚え。
(ちなみに個人的には「ノー・サレンダー」が一番好き)
とにかく基本はアルバム「ネブラスカ」の曲が中心だったのかな。正直あのアルバムはあまり好きではなかったので、「あ、聴いたことあるな」程度。ちょっと馴染みが薄かった。知ってたら「ネブラスカ」を聴きながら来たんだけどな。テスト範囲のヤマカンが外れた感覚。
それよりもストーリーがね、そうだな……あえて語弊を生じる言い方をすると、あまりドラマチックじゃないんだよ。
「ボヘミアン・ラプソディ」のように不治の病や伝説のライブがあるわけではなく、最近で言えば「名もなき者」のように旧態依然とした音楽界と戦い、変革したわけでもない。あるロックスターが歌い、演奏し、創作や人間関係に悩み、ある壁をひとつ超えるだけ。この手の伝記映画の”お約束”となるカタルシス大放出の”象徴的なライブシーン“もない。いまいち燃えなかった。
もちろん一般人と比較すると十分数奇な人生だよ? だって彼はとんでもないスターなんだから。でも「映画」という尺度で見た場合はちょっと「何も起こらなすぎ」……というのがフィクションまみれの映画老害(=おれ)が感じてしまった正直な感想だった。父親との複雑な関係も、あれはあれで興味深かったけど映画としては地味だよね。
今回の試写会は、なんとあの「109シネマズプレミアム新宿」(通常なら席料4500円!)の最高の音響設備が整った劇場だったんだけど、「じゃあ、極上のライブシーンを楽しめたか」と言われれば、そこまで演奏シーンは多くなかった。贅沢を言うならば、もう少し欲しかったね。
強いてあげれば、冒頭の「明日なき暴走(Born to Run)」のライブシーンと、前述の「ボーン・イン・ザ・USA」のレコーディングシーンは熱かった。いや、あそこは本気で身体が動いたよ。「吹き替え無しで演奏した」というジェレミー・アレン・ホワイト素晴らしいよね。まじで「ニ代目スプリングスティーン」継げるよ。最高だった。名前覚えた。
ともあれ。
貴重な試写会に当選させてもらって、最高の劇場の最高の席を用意してもらって(席も良かった!)、生の吉田栄作の生歌まで聴かせてもらった上で、勇気を振り絞ってあくまで個人的感想を言っちゃうけど、
作品は面白くはなかった。
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