勝利投手 ソフトバンク マルティネス (2勝1敗0S)
敗戦投手 日本ハム バーヘイゲン (1勝3敗0S)
左をずらりと並べてきたホークス打線に、初回から制球で苦しむバーヘイゲン。1回はなんとか三者凡退で切り抜けるも、2回3回に捕まった。3回途中に2番手西村天裕にマウンドを譲るまでに6安打4四球と大荒れ。序盤から6失点と大量リードを許してしまう。
ホークスの先発はファイターズから移籍したニック・マルティネス。バーヘイゲンが制球で苦しむ一方で、マルティネスはファイターズ時代と変わらぬ安定した制球で、ランナーを出しても丁寧に後続を断ち切るピッチング。スコアボードに0を重ねていく。4回裏に王柏融の一発で2点を失うが、5回を投げて4安打1四球2失点とまずまずな内容。
ホークスは5回に柳田悠岐の三塁打と中村晃の犠牲フライで1点を追加し、5回終了時点で2-7。ファイターズは5点を追う苦しい展開で後半戦勝負へ臨むが、反撃は7回の石井一成によるソロホームランの1点のみ。
6回7回は今季初登板の望月大希、8回に帰還したレジェンド宮西尚生、9回をタイガースから移籍の谷川昌希がそれぞれ好投したが、序盤のビハインドを縮めることはできなかった。
強打者・石井一成の逆方向ホームラン
試合には負けたが、四番王柏融のツーランや初登板望月大希の2イニング連続三者凡退、一塁手中田翔の超絶プレーなどそこそこ見どころは多かった。しかし「今日はこれだけは忘れたくない」というシーンは7回、石井一成の逆方向ホームランだ。
7回裏先頭に打席に入った石井は、この回代わった板東湧梧の外角ストレートを逆らわずに強打。レフトフライのように高く上がった打球は、そのまま広い札幌ドームのレフトスタンドに届いてしまった。
近藤健介や秋山翔吾のような“技”で運んだ逆方向ホームランじゃない。「え、あれ届いちゃうの?」という当たりは、少し大げさに言えば、オオタニかアサムラか、はたまたギータか、屈指の強打者が“力”で押し込んだような逆方向ホームランだった。
石井一成といえば、個人的にはあのホームランを思い出す。2018年6月13日。交流戦の対タイガース戦。あの日も札幌ドームだった。パテレの公式YouTubeで映像を見つけたので、これを読んでいる人はぜひ見てほしい。
軽く振りぬいた打球が、とんでもない打球速度と、とんでもない角度をつけて、長い長い滞空時間をかけてレフトスタンドに吸い込まれていった。(打たれたのが当時タイガースの谷川だったというのは嬉しいおまけ)
まさしく「アーチスト」の打球。見とれてしまった。美しかった。こいつは野村謙二郎(古い?)のような強打のショートになれる……! まだ売り出し中だった石井一成が目指す最高到達点を垣間見たようでワクワクした。
あれから3年。正直その片鱗をほとんど見ることなく時が経ち、あの興奮も薄れてしまっていた。そこへきて今日の強打者の証明のようなホームラン。まあ、好みの打球じゃないけど(おれの理想は中田翔のホームランなので)嬉しかったなあ。
ショートというポジションや打順などの関係で、今チームに求められるものは違うと思うが、フリーで打てるチャンスがあれば、また何度でも強打者・石井一成を見せてほしい。