勝利投手 日本ハム 上沢 (4勝2敗0S)
敗戦投手 ヤクルト 金久保 (3勝1敗0S)
セーブ 日本ハム 杉浦 (0勝1敗10S)
交流戦初戦は4年ぶりの神宮球場でスワローズ戦。これまで3勝を挙げているファイターズのエース上沢直之と、スワローズも先発で3勝を挙げている21歳の金久保優斗の投げ合い。
ファイターズは3回表、五十幡亮汰のレフト頭を超えるツーベースを皮切りに、平沼翔太のセカンドゴロ、西川遥輝の死球で2アウト1塁3塁にすると、四番・王柏融のしぶといレフト前ヒットで鮮やかに先取点。直後に渡邉諒にもライト前のクリーンヒットが飛び出し、2アウトから2点をもぎ取った(この後もロニー・ロドリゲスに来日初ヒットが生まれたが2塁ランナーの王柏融が本塁で憤死)。
ファイターズ先発の上沢は「調子は良くなかった」(試合後ヒーローインタビュー)とはいうものの、6イニングを3被安打2四球1失点(1失点は塩見泰隆に打たれたソロホームラン)と十分すぎる内容で試合を作った。
8回表に平沼の一塁強襲タイムリーと西川の犠牲フライで2点のダメ押し点を加え3点リード(1-4)にして、8回9回を勝ちパターンへ託す。
8回に堀瑞輝がツーベースと3者連続四球で1点を失い、なおも2アウト満塁の崖っぷちに立たされる……という一幕もあったが、“火消しの玉ちゃん”こと玉井大翔がなんとか後続を断ち大怪我は回避した。
9回はもちろん守護神・杉浦稔大。3者凡退2奪三振と、古巣に元気なところをしっかりアピールしてゲームセット。10セーブ目。
ファイターズは連勝。エースの好投で、交流戦初戦を白星で飾ることができた。
堀瑞輝の悔し涙
エースが好投して、鮮やかに先制して、途中ドキドキする程度にはピンチに陥り、しのぎ、終盤ダメ押し点で突き放して、守護神で逃げ切る――あまりに理想的な展開過ぎて、際立って「これは憶えておかなければ」というシーンが逆になかった。
しいて言えば、堀瑞輝の突然すぎる崩壊か。
玉井に交代を告げられた後、わかりやすくガックリ肩を落とす堀の姿、ベンチでの涙はあえて覚えておこうと思う。
10年後、宮西のような百戦錬磨のレジェンド投手になった頃、「今じゃおっかねえ顔した堀だけどよ、若い頃は打たれてベンチでシクシク泣いてたんだぜえ」と次世代のハムファンに笑い話のように語ってやるために。