1回表、先頭の淺間大基が、ホークス先発和田毅からいきなりホームランを放ち先制。これで淺間は3試合連続の3号。
ファイターズ打線はその後も制球に苦しむ和田を攻め、毎回のようにもチャンスを作るが、昨日と同じくどうしても「あと1本」が出ない展開。最終的にファイターズ打線はこの試合で9安打を打つが、得点圏になると7打数0安打。結局9回まで得点を奪うことはできなかった。
昨日と違ったのはファイターズ先発の加藤貴之。味方打線が何度決定的チャンスを逸しようと、初回以降1点の援護すらなかろうと、一切ブレることなくホークス打線を圧倒。5回裏に柳田悠岐にソロホームランを浴びてもまったく動じず、続く3人を三者連続奪三振に切って取る姿は圧巻だった。
加藤は最終的に8イニングを投げ2安打1四球。失点は柳田のソロホームランの1点のみという完璧な投球。
最終回も、昨日痛恨の同点ホームランを打たれた杉浦稔大が三者凡退2奪三振でシャットアウトし、2戦連続のドロースコアでゲームセット。
今週のファイターズは4戦2勝0敗2引き分け。2つのドローが「勝てた試合」だったかどうかの議論は置いておいて、単純に2つ貯金が稼げた。
現在パ・リーグの順位表は5強1弱で、上位5チームは3ゲーム内にひしめく団子状態。敵の眼中から外れているうちに、少しずつ少しずつ、5強に迫っていけばいい。
先発加藤貴之の8イニング完璧ピッチング
開幕からずっと先発として(勝ち負けに関わらず)安定した好投を続けていた加藤。しかしここ4試合は4連敗。特に交流戦では3試合先発して3敗、うち2試合は打ち込まれてKOという内容。
開幕から先発ローテーションを守りつづけ、疲れがたまってきたというのもあるが、さすがにシーズン中盤にきて相手チームに研究されてきたというのもあるだろう。
ああ、もう開幕当初のような圧倒的な加藤は見られないのか?
と疑い始めていた矢先の今日の試合だった。正式に土下座したい。
今日の加藤は開幕の頃の衝撃が甦るほど素晴らしかった。8イニングを投げ切ってわずか104球。1四球、被安打2、1失点。ホークスに付け入るスキを与えなかった。残念ながら勝ち星はつかなかったため、ファンとしてしっかり記憶しておきたい。
制球が素晴らしく、ほとんどがキャッチャー清水優心の要求通りのスポットへ、切れのいい変化球が投げ込まれていた。今日の清水はリードしててさぞ楽しかったことだろう。
特に圧巻だったのは5回。先頭の柳田に嘘みたいなホームランを打たれた後の3者連続奪三振。
昨日は好投の立野和明が同じ5回、先頭打者にホームランされた後一気に崩れてしまったが、ここが百戦錬磨の加藤との違いだろう。
加藤はまるで何も起きなかったかのようにブレない投球を続け、続く3打者に対応した。3者三振はただの結果だ。加藤のことだから、ホームランを打たれたからといって特に気を入れることもなく、かといって気を抜くこともなく、あくまでいつもの投球をした。
これが「安定感」の正体だと感心した。最近流行りの言葉で「再現性」といった方がオシャレか。
ファイターズは後半戦も上沢、伊藤、池田、加藤、バーヘイゲン(去年の安定感を取り戻してくれ!)の5人で回していける。この5人なら、後半戦負け越しはあり得ない。